私は「学校大好き人間」の典型でしたから、この日(退職翌日)を迎えることが怖い気がしていました。
3月31日24時までは、勤務校の責任者とまわりの人から教えられてきましたので、午前0時まで寝ないで過ごしました。私の中では、何とはなしに「大晦日⇒元旦」の切り替えの雰囲気が漂っていました。
深夜の緊急電話もなく、午前0時を迎えました。すぐに床に着きました。 ……予想に反して、すぐに眠りに落ちました(もともと寝付きはよいタイプ)。そして、ぐっすりと眠りました。
翌朝、目覚めるとすぐに、自分の置かれている立ち位置を自覚しました。ところが予想に反して、「やったぁー!」と布団の中で叫んで、両手を万歳しました。寂しく肩を落として朝を迎えると予想していた私です。しかし、実際には「校長」という重荷が取れて、まずはその解放感を全身で味わった私です。
平成23年4月1日(金曜日)、平日なのに8時を過ぎても普段着のままです。学校へ行く(出勤する)必要がありません。解放されたのです。 ……いや、次第に「社会から取り残された寂しい心情」がふつふつと湧いてきました。
朝食後、まずは新聞を開きました。私の楽しみの日課の一つです。しかし、集中して文章が読めない自分がいました。読みながらも、ふと「自分は社会から必要ない人間」になったんだという、疎外感・孤独感が頭を過ぎりました。
起床したときとは、ぜんぜん違った感覚です。その後の記憶は、今は全て残っていません。たぶん、あれやこれや所在のない時間を過ごしたんだと思います。