広めよう「親学」
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2020.9.13(日)


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近年
島根県教委が
「親学プログラム」という
パンフレットを作り
全県的に普及活動を展開しておられます。

内容は


@ 心を通わすためのリクレーション。
A4人グループで次の3点について協議。
 ※ 我が子がについて言われて嬉しい言葉。
 ※ 親同士でどのような言葉を掛け合えばよいか。
 ※ 我が侭な子に悩む母親(事例)にどうアドバイスするか?

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今回は「親学」について取り上げます。






「親学」が生まれた背景


 近年は、少子化・核家族化・価値観の多様化・女性の社会進出などにともなって、子育てや親と子を取り巻く状況は大きく変化している。

 近年は、不登校や非行といった子どもをめぐる問題が深刻化している。

 学校に対して理不尽な要求をする「モンスター・ペアレント」が話題になるなど、家庭の教育力の低下が指摘されている。

                


 親と子の在り方という問題が大きくクローズアップされてきている。

 「親のすべきことは何だろう」「親は子どもとどうかかわっていけばいいの」ということ伝えていく必要が出てきている。

 親学という言葉には、「親としての学び」と「親になるための学び」の二つの意味が含まれている。

 それらは、知識やテクニックといった小手先の内容だけではない。親が自分自身を見つめなおし、成長するためのものである。

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「親学」を学ぶの意義


 遺伝か、育て方(育つ環境)か? が、よく話題になります。様々な意見がある中で、どちらも重要(影響力がある)という考え方が一般的です。双子の研究(特に欧米の事例研究)から、これらの結論が導き出されています。

 遺伝だけでなく「育て方(育ち方)」によって、人は人格・性向などが決まるとなると当然「親学」に着目し、世の中の親に「どのような心得が大事か」伝える動きが出ます。出るべきだと思います。

 私自身も学校教育に関わってきて、よきにつけ悪しきにつけ「この親にしてこの子あり」という場を数多く体験してきました。

 学校教育では「家庭科」の時間に保育について学ぶ場はあります。が、本格的に差し迫った問題として「親の在り方」「子の育て方」について学ぶ機会は無く、また親になるための「免許」授与もなく、「人の子の親」になります。

 反面教師という一面もありますが、実際には虐待を受けて育った子は、虐待をする親になると言われています。逆に愛情豊かに育った子は、愛情豊かな親になると言います。

 そういう意味で、「親学」の普及には期待している一人です。

 児童相談所では、問題を抱えた児童・生徒に関わるとき、父親役・母親役・兄貴役(おい、行こうぜ!)を3人で分担しているとのことです。家庭において、また保育所・学校において、役割分担しながら子ども達に関わっていきたいものです。

 まさに幼児期は、人格形成の基盤づくりの黄金期です。学力の底力を培うべく重要な時期でもあります。それだけに、保護者共々、教師・保育士が子育てについて学ぶ機会「親学」の導入は喫緊の課題と受け止めています。

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ところで……


 インターネットで「親学」を検索すると、批判的なサイトがいくつか存在することを知りました。その中から、一部を引用させてもらいます。


 親学推進協会というのは、日本の伝統的な子育てをすれば発達障害を予防できると考える団体で、発達障害は先天的なものであるとする標準的な医学とは正反対の説を掲げている。ようするに、「親の子育てが間違っているから発達障害なんかになるんだ」ということを言っている団体だ。

 親学は、「3歳まであなたがちゃんと側にいないと子どもが発達障害になりますよ」と働く母親に恐怖感を与えつつ発達障害への差別の共犯者に仕立て上げる、きわめて悪質な恫喝である。

 親学は発達障害の当事者を攻撃するだけにとどまらず、その親にも「自分のせいで子どもが発達障害になったのではないか」と思い込ませる。政治家がこれを信奉するなどあってはならない。そして親学を推進する超党派議員連盟が”親学推進議員連盟”である。驚くなかれ、この親学推進連盟の会長は安倍晋三である。

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〜http://matome.naver.jp/odai/2143040637509326201 より引用〜

 なるほど、発達障害は先天的なものであるという学説が、世の中では有力のようです。「育て方」と断言すれば、発達障害を持つ親へ痛切な批判となります。それでなくても我が子のことで悩んでおられるのに、泣きっ面に蜂です。

 そういう考え方は、確かに理解出来ます。しかし、私は思います。確かに発達障害の子は、持って生まれた育てにくさは抱えていると思います。ただし親の関わり方によっては、その子の育ちはきっと違ってくると信じています。

 特に一歳児までの親の限りない愛情と、親学が提唱している「我が子への関わり方」があれば、きっと育てにくい一面を持って生まれてきた子も、救われると確信しています。

 この「親学」が、どんどん世の中の保護者に広まり、浸透していくことを願ってやみません。

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