新型コロナウイルス感染症
疑問

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2020.4.12(日)


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新型コロナウイルス感染症の広がりが
止まるところを知りません。
しかし
イタリア・フランス・アメリカなど
爆発的に感染者や死亡者が増えている

一方
1月以来
日本の感染者の増加は
それらの国と比較して
1/100 以下に抑えられています。

とはいえ
国内においても
感染者の増加傾向は止まらず
とうとう政府は
4月7日に7都府県
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府・兵庫県・福岡県に
約1か月の緊急事態宣言を発出しました。

各都府県の知事は
不要不急の外出自粛
学校などの休校
企業や店舗に対する営業自粛など
要請・指示することができるようになりました。

これによる経済的損失は
収束が見通せない現在
計り知れません。

学校も臨時休校を繰り返し
子ども達の学習権などは
ずたずたにされています。

しかし
新型コロナウイルス感染症は
冷静に分析したら
そんなに怖くありません。

マスコミ(特にテレビのニュース・ワイドショー)が
針小棒大
恐怖を引き起こすような
映像とコメントラッシュで
国民の不安感を煽っています。


私は苦々しく思っています。

そこで今回は再び
新型コロナウイルス感染症を取り上げることにしました。






インフルエンザとの比較


 昨今のマスコミの報道は、ますますエスカレート。どのチャンネルを出しても、ニュース・報道関係は「新型コロナウイルス感染症」に染められています。しかも、大半が不安を煽るような映像やコメントで埋め尽くされています。

 確かに、現在のところ「得体の知れないウイルス」には違いありません。海外の流行状況(特にニューヨークやイタリアなど)の映像に接すると、この状況が日本にやってくるのではないかという、一抹の恐怖感に襲われます。

 しかし、昨年のインフルエンザと比較してみます。


 昨年のインフルエンザ
 
一月の死亡者 1,685人(1日平均 54人)
 ただし、肺炎を併発したり、持病が悪化し心不全などその他の病気で亡くなったりした場合は含まれていない。

 
新型コロナウイルス感染症(〜4.7)
 
感染者 3,271例
 内訳は  2,239人 患者
        584人 退院者
       
70人 死亡者

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 昨年のインフルエンザ発症者は約1,000万人、死亡者は約1万人。今年のインフルエンザ死亡者は約2,000人(去年の1/5)。新型コロナによる死亡者と合計しても、2,070人。いわゆる「風邪」による死亡者は激減しています。

 単純に比較してみても、昨年のインフルエンザの方が圧倒的に恐ろしいデータとなっています。去年の報道は、たんたんと「インフルエンザが流行しています……」程度だったのが、今にして不思議に思います。

 それなのに、マスコミは熱心に恐怖心を煽っています。理解出来ない私です。

  


 報道によると、主に次の5点をを脅威の理由に挙げています。


@ 得体が知れないウイルス
A 高齢者をねらう殺人鬼
B 治療薬がない
C ワクチンがない
D 医療崩壊

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@ 得体が知れない
新型コロナウイルス


 流行から3ヶ月以上が経って、新型コロナウイルスの正体(性質)が少しずつ見えてきました。



 サーズの変異型(遺伝子の80% が酷似)
 サーズは完全にウイルスを封じ込めに成功しましたが、一部が突然変異を繰り返しながら、しぶとく生き残ってきた可能性が指摘されています。それが、たまたま昨年11月(11/17)、武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」として発見され、今日に至っています。


 毒性はサーズ(致死率10%)よりかなり低く、現在のところ3〜5%。感染者の人数(致死率に対する分母)が実際はかなり多かったり、一般的に流行を繰り返す内に毒性が減少するので、最終的には致死率 1%以下になると予想されています。 

 2009年の「H1N1」(新型インフルエンザウイルス)の場合、当初10%。最終的には1.3%まで低下しました。


 サーズと同じく肺で増殖(高齢で、肺に持病があると危険)する。


 潜伏期間が 1日〜14日と長い。この期間に、無症状でウイルスを感染させる危険性が指摘されています。

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A 高齢者を狙う殺人鬼


 70歳以上の高齢者が重症化しやすい。
   中国の統計(致死率) 死亡率(年代別)

年代
0歳〜
10〜 0.2
20〜 0.2
30〜
40〜 0.4
50〜 1.3
60〜 3.6
70〜 8.0
80〜 14.8


 感染者の80%は「無症状」。20%が投薬等の加療が必要。うち、3%程度が死亡。


 今回の新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方にはお気の毒ではありますが、人は年を重ねると共に、特に高齢者は免疫力始め、さまざまな機能がガタンガタンと衰えています。

 顰蹙を買う傲慢な見方ではありますが、今回亡くなられた方は案外、インフルエンザなど他の病をきっかけに命を脅かされる運命にあったかも知れません。。

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昨年
日本国内に於いて
肺炎が原因で死亡
約1万3千人









B 治療薬(抗ウイルス薬)がない


 もともと「風邪」を引き起こすウイルスは、200種類以上とされています。インフルエンザは「タミフル」「リレンザ」が開発されていますが、風邪に効く薬は基本的にありません。解熱剤・鎮痛剤・咳止め・下痢止めなど、対症療法で快復を待つのが一般的です。

 ただ、今回は既に開発されている治療薬を使って、臨床試験(治験)が始まっています。現在のところ、次の薬が注目されています。

アビガン =エボラ出血熱の特効薬

レムデシビル =エボラ出血熱の特効薬(68%改善)

ネルフィナビル =HIVの特効薬

クロロキン =マラリアの特効薬

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風邪を引き起こすウイルス
主な風邪(かぜ)ウイルス 主な特徴
ライノウイルス 風邪(かぜ)の原因の約30〜40%を占めるのがこのウイルス。秋や春に多く、主に鼻風邪を引き起こす。
コロナウイルス ライノウイルスの次に多く、主に冬に流行する。鼻やのどの症状を起こす。
RSウイルス 年間通じて流行するが冬に多い。乳幼児に感染すると気管支炎や肺炎を起こす場合がある。
パラインフルエンザウイルス 鼻やのどの風邪(かぜ)を起こすウイルスで、子供に感染すると大人より重症になりやすい。秋に流行する型と春〜夏に流行する型がある。
アデノウイルス 冬から夏にかけて多い。プール熱の原因もこのウイルス。咽頭炎や気管支炎、結膜炎なども起こす。
エンテロウイルス 夏に流行するウイルス。風邪(かぜ)の症状のほか下痢を起こしたりする。




インフルエンザウイルスの種類


 インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類される。

 このうち、大きな流行の原因となるのはA型とB型。

 A型インフルエンザウイルスはさらに144種類もの型(亜型)に分けられる。

 そのうち近年、流行しているのは、A/H3N2(香港型)と、A/H1N1(ソ連型)の2種類。

 これらのウイルスは、毎年のように小さい変異をしている。

 B型インフルエンザウイルスは2種類(山形型、ビクトリア型)ある。

 A/H3N2(香港型)、A/H1N1(ソ連型)、B型が同時期に流行することがある。

 そのため、同じシーズンの中で複数回、インフルエンザにかかることがある。

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Cワクチンがない



 1つの新薬の開発には多くの時間を要し、300億円以上もの費用が必要となる。
 ワクチンを作るには、まず病原体を増やす必要がある。人に打っても病気を起こさないように、無毒化したり弱毒化したりした後、他の成分も加えて注射できるような溶液にする。
 そして、人に接種しても安全かどうかという点に加え、本当に感染症を防ぐ効果があるかどうかも確認して、初めて製品になる。そのため、ワクチンの作成には2年近くかかる。

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 今回の新型コロナウイルス感染症は、致死率はそれほど高くありません。しかし、感染防止のための「ワクチン」や、患者に投与する「抗ウイルス薬」はまだできておらず、マスコミの取り上げ方も相まって恐怖と不安が広がっています。

 これまでワクチンは、HIV、インフルエンザ、B型・C型の肝炎など、限られた感染症に対するものしか開発されていません。種類の多い風邪についてはワクチンがありません。



 ウイルスの場合、生物でないことが新薬開発をいっそう困難なものとしている。

 細菌であれば、たいていは細胞壁をもっているので、その合成を阻害する作用を持たせることが医薬品開発の足掛かりとなる。

 一方、ウイルスの場合、DNAまたはRNAを囲むタンパク殻はあるが、細胞壁のようなものはない。そのため、ウイルス全般に効果がある汎用的なアプローチは考えにくい。

 また、細菌は生存するための機構を一通り持っており、その増殖を止めるターゲットがいくつも考えられる。しかし、ウイルスの場合、みずから作るタンパク質が少なく、医薬品としての狙いどころが限られている。

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 ところが、新型コロナウイルス感染症対策として、結核のワクチン「BCG」が注目されています。

 感染が押さえられている国と、爆発的に感染している国とを色分けしてみると、BCG接種の有無がくっきりと明暗を分けています。(下表のとおり)

 死亡者人数(4/6現在)を比べると、隣同士の国「スペイン(BCG接種せず)=1万3千人」「ポルトガル(BCG接種)=200人」

 現在、実証実験が行われています。近い将来、BCGがワクチンになりうるかどうかが判明すると思われます。

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BCGは一般的に
免疫力を高める効果がある
肺ガンの治療に有効

ということが分かっています。

現在のところ実証実験段階で
BCGの有効性は不明ですが
恐怖心を煽っているマスコミを
少しでも沈静化させる効果があるか?





国民100万人当たりの死亡者

死者の人数
イタリア 206
スペイン 174
ベルギー 61
オランダ 61
フランス 54
スイス 43
イラン 35
イギリス 26
アメリカ 12
以上、BCG接種せず
以下、BCG接種国
死者の人数
インド 0.05
ロシア 0.07
メキシコ 0.2
エジプト 0.4
日本 0.4
フィリピン 0.8
中国 2.3
韓国 3.2
日本のBCG接種は 1951年から実施。
副作用の関係で、近年は強制していない。、










D 医療崩壊を招く


東京都のデータ
項目 状況
新型コロナ対応ベッド数 1200床
軽症・中等などの患者 1401人
重症で集中治療が必要 30人
2020.4.7現在

 すでに取組が進んでいますが、準備されたベッドは入院加療が必要な患者のみが利用すべきです。

 感染者を帰宅させると、家庭内感染を起こし、それが地域社会に広がるという危惧から、軽傷者も含めて病院内に隔離? しています。

 これではベッドがいくらあっても足りません。東京都では既に、都内のビジネスホテルを借り上げて、軽症者の移動を始めています。この措置により、医療崩壊は当面避けられるはずです。

 昨年1月のインフルエンザ大流行(一日平均の患者10万人、死者約60人)の時も、現状の医療体制で乗り切っています。

 海外の戦場のような医療現場を幾度となく映像で流し、医師会長が「医療崩壊寸前です」などとコメントを述べる場面を、幾度となくテレビで観ました。これを繰り返されると、誰だって恐怖心を抱きます。どうかマスコミは冷静になってください。国民の恐怖心を煽るのは辞めてください。

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参考情報


新型コロナの死亡率が低い日本人
すでに免疫持っているとの仮説


 世界中で130万人以上が感染し、8万人以上の死者が出ている新型コロナウイルス(4月8日現在)。世界の研究者が驚くのが、日本の死亡率の低さだ。

 3月末時点で人口10万人あたりの日本の死者数は0.04人。一方でイタリアは同17.79人、スペインは同15.64人と大きな差がある。医療ジャーナリストの鳥集徹(とりだまり・とおる)さんが説明する。

「原因については諸外国も関心を持っていますが、現状では日本はウイルス感染の有無を調べるPCR検査数が絞られているため、感染数や死亡数が過小評価されているとの指摘がある。あまり他人と直接的に接触しない、大声でしゃべらないといった行動様式や、マスクや手洗いなどの習慣が日本における感染拡大を防いでいる可能性も考えられます」

 また、日本におけるBCG接種率の高さが重症化を抑えている可能性を指摘する声もある。さらに注目されるのが、「日本人は新型コロナの免疫を持っている」という新たな仮説だ。

 新型コロナにはS型と感染力の強いL型があり、京都大学大学院医学研究科・医学部特定教授の上久保靖彦さんらは論文で「S型がL型よりも早く中国から伝播し、部分的な抵抗力を与えた」と発表した。

「昨年末まで日本はインフルエンザが史上最高ペースで流行していましたが、今年になってから急速に流行がストップしました。その理由を、論文では昨年末から日本にS型が流入して、インフルエンザ感染を阻害している可能性を示唆しました。

 昨年11月から今年の1月まで中国人観光客は184万人入国していたため、S型がすでに日本の一部で“蔓延”していたということです。そのため、L型にも部分的な集団免疫を付与しているという内容でした」(医療ジャーナリスト)

 諸外国が驚く「日本の奇跡」を維持するには、自らのリスクを正しく知り、対策を進めることが肝要だ。

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〜女性セブン2020年4月23日号 より引用〜