少子化問題
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2020.2.2(日)


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1月の要約学習(授業後半)
赤来中学校編では
少子化問題を取り上げました。

まずは
下の図式に基づいて指導者がプレゼン。
生徒は図式を書きながら聞きます。
図式を基に(2人組み)相互プレゼン(各40秒)

続いて
2・3年生には
「少子化は問題ではない」という視点から
自分の意見をまとめて
発表してもらいました。

1年生は
「少子化を防ぐ手だて」
(指導者プレゼンではこの内容に触れていない)
としました。






原因


 上の図式のとおりです。

1)価値観の変化(独身を選択・子供を持たない選択)
 30年前には男女とも「50歳時未婚率」が4%でした。が、現在は男性が24%、女性が15%に上昇。今後、更に増えると予測されています。
 
 独身は自由です。家庭に縛られることがありません。時間もお金も自分の裁量でどうにでもなります。

 一方、子ども一人を大学卒業まで育てると 2千万円かかる時代となっています。子どもを持たない夫婦が増加しても不思議ではありません。

2)女性の社会進出、所得の低下
 男女同権が声高に叫ばれる時代、女性の社会進出は当然の権利です。しかし、これが「50歳時未婚率」「晩婚化」の原因の一つとなっていることは否めません。

 調査結果を見ると、35歳〜45歳男性の場合、所得と未婚率とは正比例しています。所得が低くなるにつれて「未婚率」が高くなっています。男性にとっても女性にとっても、極めて現実的なデータです。

 現在、非正規社員が38%。「同一労働同一賃金」の政策により、行政の方では具体的な動きが始まっています。しかし、これが民間にまで普及するにはそうとうの時間を要すると思われます。それ以前に、非正規社員が減ったり、同一労働同一賃金が実現出来るのか? という危惧もあります。

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現状


 「少子化」という言葉がマスコミに登場したのは、30年前(平成4年)です。当時は「第二次ベビーブーム」(合計特殊出生率=2.14))の時代。「日本人口会議」は「子どもは二人まで!」という大会宣言まで出した(古き良き?)時代です。

 それがいまや、合計特殊出生率=1.5以下となっています。人口増減無しが「2.04」ですから、絶望的なデータです。

 ちなみに、今年の新成人は 122万人。それに対して、昨年誕生した赤ちゃん(出生数)は 86万人。マイナス36万人!

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蛇足です。
私は来島中学校出身です。
同級生は113人いました。
同じく当時の赤来町にあった
赤名中学校も百人超。
合計二百人以上いました。

統合後赤来中学校の現状は
学年平均20人時代です。

何と
当時(昭和30年代)と比較して1/10










少子化の課題


 さまざま指摘されていますが、例えば次のような問題点があります。

 過疎化(人口が減少して、寂しくなります!)
 子ども関連の仕事が低調に!
    おもちゃ・ベビー用品・小児科医・遊園地……
 学校の統廃合 ⇒地域の灯が消える
 学校の小規模校化 ⇒中学校の部活動がピンチ!
 働き手不足
 経済の沈滞化(GDPは下降!)
 高齢化率の増加(2055年に4割!)
 社会保障(年金・医療) 大ピンチ!

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赤来中の要約学習(2・3年生)では
以下の課題で
自分の意見をまとめ
発表してもらいました。

以下は
生徒に示した
解答例です。






少子化でも大丈夫!


 日本の人口密度は、190ヵ国中25番目に高く、1平方q当たり335人。中国は145人、アメリカは33人である。

 日本の人口は、江戸時代が3,300万人、明治初めが 2,300万人、太平洋戦争中が8,400万人。それに対して、現在は1億2,700万人。理想的な人口は、8,000万人と言われている。

 日本の国土は山地が多くて平野が狭く、可住地(人が住める土地)の割合は、国土のおよそ30%程度である。戦後、人口が飛躍的に増え、住むのに不便な山間へき地(可住地以外)に多くの人が暮らすようになっている。
 →今後は「コンパクトシティ」(住みやすい場所に人々が集まって暮らす)を目指す必要がある。それによって「過疎化問題」を解決する。

 今後、若者が減って労働力不足の進行が予想される。しかし、人工知能の開発によってロボットが(人間に替わって)活躍する時代がやって来る。高齢者が活躍する場が保障される。

 価値観の多様化により、結婚を選択しない人や、子どもを持たない夫婦が増えつつある。一人一人の生き方の問題であり、これを否定することは出来ない。

 現在、世界人口は70億人を越えている。40年後には112億人にまで増える予測がある。こうなると食糧問題が地球規模で起こる。土地や水が圧倒的に不足する。日本もこれに備える必要がある。

 現在、少子化と同時進行で「高齢化」が進んでいる。これによって「社会保障」(年金・医療) が社会問題になっている。これは少子化とは切り離して考える必要がある。

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