新しい年を迎えて

正月や冥土の旅の一里塚
めでたくもありめでたくもなし
〜一休禅師〜

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2020.1.5(日)


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西暦2020年
令和最初の新年を迎えました。


 かたちなき時間といへど 
 あらたまの年は 
 静かにわが前にあり

数年前にふと浮かんできた短歌です。
毎年NHK「行く年来る年」を観ます。
午前零時
テレビの雰囲気が
静から動へと一変します。
毎年
これを確認してから眠りにつく私です。

元旦の朝が来たからといって
昨日と何かがらりと変化したわけではありません。

気のせいか空気が入れ替わった気がします。
「新年の決意」ではありませんが
自然と
気持ちをリセットしたくなります。









座右の銘


 座右の銘ベスト3を挙げろと言われたら、生きていく指針として、私には次の言葉が、日常生活に入り込んでいます。

一期一会

   

 山本有三の小説『路傍の石』に、次のような一節があります。「道徳」副読本に掲載されていて、脳裏に深く刻まれたフレーズです。担任した生徒には事あるごとに、この言葉を語りかけ、また、自分自身意識し続けてきている一節です。


たった一度だけしかないこの人生を、たった一人しかないこの自分を、
本当に健康で、幸福に生きなかったら、人間に生まれてきたかいがないじゃないか。

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 そして、「一期一会」に関連して、次の言葉も、事あるごとに脳裏をよぎるフレーズです。


今、このとき、この場面は、ただ一度限りであり、二度と繰り返されることはないのだ。

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 今日という日は二度と戻ってはきません。過ぎ去ってしまった「時」「場面」は、逆立ちしても二度と戻ってはきません。

 自分に出来ることすべき事は、(過去はどうあれ)きょう一日が自分にとっても、関わりのある周りの人にとっても、かけがえのない素敵な一日になるよう心がけること。日々、自分に言い聞かせたいと気持ちを新たにしました。



天知る 地知る 己知る
     

 この言葉も、私の大事にしている言葉の一つです。

 万引きが出来る環境にあるけど、自分は決してしない。
 まわりが陰口を言い合っていても、自分は加わらない。
 人が見ていようがいまいが、下足の乱れをそっと直す。

 そういう積み重ねが、自分を人間として育てると思っています。

 かくいう自分自身はどうかと振り返ってみると、聖人君子ではありません。ごまかしたり、嘘を言ったり、ずるをしたり、……。そういうことが皆無というわけではありません。未だもって発展途上の私です。

 誠実に生きていきたい。少しでも立派な人間になろうとして心がけていきたい。そういう意味で「天知る 地知る 己知る」は、私を戒める言葉の一つです。



そのとき どう動く
       

 日常生活においては、「このときは、どういうスタンスで、どう言葉をかけたり、どう行動したりすべきだろうか?」という判断の連続です。その積み重ねが、自分という人間を着実に形成していきます。同時に、周りの環境も変えていきます。

 難しい判断を迫られるとき、ふと「○○さんなら、どうされるだろう?」と、尊敬している先輩を思い浮かべます。参考にします。

 今年一年間、一つ一つの場面に立ち会って、よりよい判断をし、よりよい言動を心がける自分でありたいと思っています。「なす事によって学ぶ」です。

  

 今年は、どんな出来事が待っているでしょうか? 楽しみでもあり、不安でもあります。今年一年も、上の座右の銘を念頭に、一日一日心を込めて生きていきたいと思っています。

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正月や 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

年末・年始、昨日と今日とは時間の流れの一断片にすぎません。
が、何とはなしに
一つの区切りができた気がするものです。
一休さんの和歌は、正月のことを
「冥土の旅の一里塚」ととらえています。
ことに退職してからは
人の一生について
冥土との関わりで考えることが
ふと、あるようになりました。
「めでたくもあり めでたくもなし」というくだりには
それだけに、含蓄を感じます。




蛇足
2020年(令和2年)
年賀状





付記

要約学習は生き甲斐の一つになっています。
K小学校(11/25)に出かけたとき
校長先生が言われました。
「烏田先生は羨ましいです。
退職後、自分で境地を切り開いて
要約学習という独自のスタイルを産みだし
今でも学校(児童生徒)に貢献しておられる。」

こんな自覚はありませんでしたので
ビックリするやら
あぁ、なるほどと納得するやら。

改めて関わりのある先生方に
心から感謝の気持ちを抱きました。

とともに
子ども達に先生方に
一人でも多く
要約学習の趣旨を伝えていくと共に
学力(読解力・プレゼン力)向上に寄与すべく
全身全霊で貢献しようと
心を新たにしました。





短歌については
赤名短歌会入会と同時に
副会長を託されました。
平成30年6月
中村会長さんが他界されてからは
会長の役を担っています。

身の程知らずといえば
3年前から
朝日新聞社「しまね歌壇」の
選者も担っています。

自分の実力の無さを恥じると共に
任に恥じない作品を生み出すべく
精進しなくてはいけません。
これは今年の私の
決意の一つでもあります。