死が近づいたら
(前半)

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2019.12.29(日)


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 先日、『大往生できる生き方 できない生き方』安保徹 著《新潟大学大学院医歯学総合研究科教授》を読みました。

 元気で長生きし、最期は安らかに逝きたい。誰もが望む最期の姿です。著者は、長い免疫研究の中で導き出した答えは、「自然治癒力を上げることが重要」とのこと。

 本書では「人が病気になるメカニズム」から、「がんとミトコンドリアの関係」「免疫力を高める食習慣」「安らかに最期を迎えるための心構え」まで、免疫の第一人者が「健康な年の重ね方」をやさしく解説しています。

 今回の「コメントの部屋」は、この著書を取り上げます。本を読みながら13枚の「図式」にしましたので、これを提示しながら紹介します。

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ガンは生き延びる最終手段


 身体に負担がかかったとき、その根本原因を取り除くと、身体は自ら「修復機能」を発揮するとのこと。

 逆に、負担がかかったままだと、身体が暴走。結果、生き延びる最終手段、それが「ガン」という図式です。ただ、下線部分は、ここまで読んだ段階では、その理屈がよく分かりません。これについては、詳しく別の項で述べられています。

 ちなみに、対症療法(抗ガン剤・放射線照射・手術など)は、根本治療にならない。かえって患者を苦しめる結果となると断じています。 ……さぁ、書店でここまで読んできて、ぜひ購入してじっくり読みたくなってきました。

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ミトコンドリアは生命現象の要


 少しごちゃごちゃした図式ですが、ポイントは自律神経とミトコンドリア・白血球の関係です。

 ミトコンドリアは20億年前、生命体の細胞内に寄生したとのこと。その理由は、ここでは述べられていませんが、人間が呼吸して「酸素」を取り込むのは、このミトコンドリアのため(エネルギーを生み出す)なのです。

 一方、白血球は外敵撃退に活躍していますが、3種類あることが書かれています。それぞれが役割分担して、最近やウイルスなどを撃退してくれています。

 そして、この2つ(ミトコンドリア・白血球)をコントロールしているのが、「自律神経」という図式です。「自律神経」は、循環・呼吸・消化・発汗・体温調節・内分泌機能・生殖機能・代謝など、不随意な機能を制御しています。

 まずは、この「自律神経」に注目しながら読み進めることになります。

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交感神経が緊張すると……!


 自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。このうち、「交感神経」を中心に解説してある部分です。

 身体を酷使したり、ストレスが過度だったりすると、交感神経が緊張します。ここが全てのスタートとなります。上の図式の黄色で縁取った、さまざまな病魔に襲われます。

 その病魔の一つが、「ガン」です。ミトコンドリアが酸素不足になると、「ガン」が発生すると説明されています。その原理については、ここでは詳しく触れてありません。疑問を残しながら読み進めることになります。

 何はともあれ、身体の酷使と過度のストレス、これが全ての病魔の根元です。

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メリハリある生活を!


 自律神経は、交感神経と副交感神経があります。ここでは「副交感神経」について述べてあります。これが優位だとリラックスした気分になれます。

 ところが、副交感神経が優位すぎても、体に変調が起こるそうです。えっ?! 花粉症・ぜんそく・アトピーですか? そうなんですか、……。

 ちなみに私は、30歳代半ばから花粉症です。こういう説明は、初めて出会いました。これを脱するには、「甘いもの」「楽な生活」を脱するべし。 ……ふむ、「甘いもの」に目がない私には、耳の痛い指摘です。

 要は、交感神経と副交感神経と、どちらが優位になっても、体に変調が起こるようです。しかし、明らかに「交感神経優位」の方が、怖いことは明らかです。

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過労・睡眠不足・ストレス


 メタボは、この図式から考えると、ばりばり働く「仕事人間」が原因でそうなるようです。

 もっとも、ばりばり働いても「過労」「ストレス」を感じないなら、それらが交感神経の緊張に繋がりません。ここはポイントの一つです。

 しかし、メタボは怖いですね。高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満を抱え込み、心筋梗塞・脳卒中に直結しています。

 ちなみに、祖父は脳卒中、父は心筋梗塞で命を終えています。病床に伏すことなく、コテンと死ぬという点では、悪くはないような気もします。

 それにしても我が家は、家系的に「高血圧」「高脂血症」の発症率が高いようです。私自身も、ご多分に漏れず、その傾向があります。医師から「体質だ」と言われたことがあります。ランニングを日課にした理由の一つが、ここにあります。

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認知症にならない秘訣


 高齢者の増加、平均寿命の延びなどを背景に、認知症が社会問題の一つになってきています。認知症の原因は、脳の血流が滞ったことにあります。

 それを防ぐ留意点が、さまざまな視点から述べてある部分です。これだけ原因がはっきりしているのです。あとは、一人一人が本気で心がけるかどうか、ここにかかっています。

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免疫システムは「腸内」にあり!


 免疫システムに、新しいのと古いのがあること。新しいシステムが、「胸腺」と「骨髄」。古いシステムが、「腸」とのこと。知りませんでした。

 特に加齢とともに重要なのが「腸の免疫システム」。腸内の環境を整えることによって、老廃物を排除する。同時に、「善玉菌」を増やす。ここが覚えておきたいポイントです。

 そして、腸内環境を整える方法は、またしても「食生活」「睡眠」「運動」の3点セットです。さらには、漢方医療に注目です。

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紹介はまだ続きがあります。
長くなってきたので
ここでひと息入れて
前半とします。