発足当初、「日銀にこれまでよりも強い金融緩和を促す」とする、安倍晋三自民党総裁の発言が注目を浴びました。
その論点は、脱デフレ対策に関して「やるべき公共投資をやり、建設国債を日銀に買ってもらうことで強制的にお金が市場に出ていく」と述べた点です。
とたんに、「円高」に苦しんでいる日本経済にあって、1ドル=78円があっけなく
1ドル=82円まで振れました。株や為替が、一気に敏感に反応しました。
ところで、安部総裁の発想ですが、これは財政法第5条で原則として禁じられている「国債引き受け」を意味するならば、マネタイゼーションの懸念が強まる、と報道されています。
マネタイゼーション 【monetization】
中央銀行が通貨を増発して国債を引き受けることにより、政府の財政赤字を解消すること。
国の財政支出拡大とマネタイゼーションを組み合わせて行うことで、景気浮揚とデフレ脱却の効果が見込めるとの意見もある。
その一方、通貨の信認が低下し、極端なインフレ(ハイパーインフレ)を招くなどの副作用も懸念される。
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〜デジタル大辞泉〜 |
マネタイゼーション(Monetization)とは、
貨幣を発行すること、
資源や資産を現金化することを指します。
中央銀行がお札を印刷し、
政府発行の国債を直接引き受けることで
財政赤字を穴埋めする意味に使われます。
安部総裁の発想は、以前から私の脳裏に巣くっていました。赤来中「要約学習」の際(東日本大震災の復興予算をどう工面すべきか?)にも、思いがけず生徒の発言で出てきたので、驚いたことがあります。
東日本大震災
復興資金をどう捻出する?
東日本大震災は、被災地の直接的な被害額だけで20兆円以上にものぼるとされています。これだけの膨大な復興資金の財源をどうすべきか、次の4つの文章「案」を準備しました。4人グループでそれぞれの内容を分担して読み、プレゼンテーションしあう。その後、4人でディスカッションという流れの授業です。
@ 消費税の増税
A マニフェストの撤回と「復興特別基金」の創設
B 「復興特別税」の創設
C 「寄付税制」の創設
そのディスカッションの最中、「お金がないのなら、政府が一万円札をいっぱい刷って、それを使えばいい。」と、男子生徒が@〜Cに無い意見を述べました。
……これについては、中学生には少し難しい論点と考え、「確かにそういう意見もあります。でも、問題点もあるので、今回は取り上げません。」と返して流しました。
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単純に、中学生も発想する考え方です。しかし、安部総裁発言以降、マスコミの論調は「反論」の方が多いと、私の印象です。
実は、先ほどの赤来中の出来事があってからまもなく、私も勉強不足だったので、次の本を求めて読みました。
国債を刷れ!「国の借金は税金で返せ」のウソ(廣宮孝信)
今回は、この本で述べられていることについて、紹介して取り上げます。なお、インターネット検索すると、廣宮孝信氏が実際にこのことについて解説したサイト(You Tube)が出てきました。
日本経済復活の会 (廣宮孝信)