和牛を使って田んぼの作業をし、手作業で田植えと稲刈りをしていた時代は、重労働の見返りとして米の収量分の収入がありました。
1980年頃から「田植機」が登場、2000年頃から乗用田植機が登場して、今日に至っています。価格は200万円〜300万円程度。
一方、「コンバイン(稲刈り機)」も並行して登場し、どんどん進化して現在があります。価格は(さまざまですが)900万円〜1,000万円。
この他に「トラクター」は農作業に欠かせません。ピンからキリまでありますが、おおむね 300万円〜500万円。この他にも、附属の耕作部品類があります。
これら全てをそろえるとなると、1,500万円は必要です。現在、米(玄米)の価格は、平均して60Kgで
15,000円程度です。これは、大人一人が一年間に食べる量とされています。
単純計算すると、一家4人が一年間に消費する玄米が6万円(240Kg)、農業機械代 1,500万円で計算すると……
※ 1,500万円 ÷ 消費玄米(年)6万円=250年!
こうなると、農家に田んぼがあっても米作りをせずに、玄米を買った方が圧倒的に割安です。実は、この話をされたのは赤名短歌会のSさんです。高齢(80歳)になったので去年、農業機械を全て処分。米作りを退職されたそうです。
そのときに、冷静になって計算したら、自分は何と「田んぼの維持のためだけに農業をしてきたのではないか!?」という悔恨の念に嘖まれたそうです。
農業が機械化され、農作業の労働力が激減すると共に、大きく効率化もされました。その見返りとして、米作りで利益を出すことは困難になったという大きな流れです。