老後2,000万円が必要
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2019.6.16(日)


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2,000万円の蓄えが必要


 金融庁の金融審議会が6月3日に発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書の内容に、非難の声が殺到しています。

 報告書によると、「年金だけでは老後の資金を賄うことができない。」「95歳まで生きるには、夫婦で2,000万円の蓄えが必要になる。」とのこと。そのため現役時代から「つみたてNISA」や「iDeCo」などを用い、資産形成するよう促しています。

 2004年(平成16年)、政府(小泉純一郎首相)は「年金100年安心プラン」を打ち出しました。この「痛み」に耐えれば年金は安泰だと、太鼓判を押しました。

※ 国庫の負担を増やし、もらえる年金額を抑える仕組みを導入。
※ 現役世代が支払う年金保険料を13年間、段階的に引き上げる。


 しかし今回の報告書により、「年金100年安心プラン」は破綻したことが露呈しました。しかも、「夫婦で2,000万円の蓄えが必要」というのは、厚生年金がもらえる世帯のケース。国民年金だけの世帯は、さらなる蓄えが必要ということです。

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貯蓄額


 同じ総務省の家計調査では、貯蓄額の数字も出ています。

 60歳以上の2人以上世帯の平均貯蓄額は2,366万円。ただ平均額は2,366万円ですが、中央値(中央に位置する世帯の貯蓄額)は1,500万円程度となっています。

 一方、単身世帯では男性が1,552万円、女性が1,506万円となっています。

 ちなみに、金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成29年)」によると、年代別の貯蓄額は次のようになっています。

平均値 中央値
30代 589万円 83万円
40代 936万円 30万円
50代 1,342万円 130万円
60代 1,835万円 300万円

 注目すべきは「貯蓄がない」と答えた人の割合。各世代とも、4割前後となっています。富める者と貧しい者との開きが、そうとう大きいことが分かります。

 なお、単身世帯の貯蓄率は、次のようになっています。

・30代の貯蓄率:19%
・40代の貯蓄率:15%
・50代の貯蓄率:14%

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今だけを大切にする


 私的なことになりますが、私の場合、月々の支出が平均すると30万円を超します。冠婚葬祭があります。車の買い換え・車検代、旅行、突発的な家屋の修理などがあります。

 生活費以外の蓄えの多くは、「金融審議会」が推奨するように(合銀・JA・ジブラルタに分けて)資産運用しています。何と言っても「ゼロ金利政策」の昨今です。定期預金しても税金を引かれると、手元にほとんど残りません。大半が「外貨建て」の運用で不安がありますが、やむを得ません。

 年金制度は、本当に感謝感激です。現役時代、こんな制度があることすら意識していませんでした。ありがたい制度です。これなくして、私の老後(何歳から老後? 私は自分で勝手に「現役」だと思っています)はありません。

 ただ、今後、何歳まで生きるのか? 健康寿命はいつまでか? 蓄えは墓場まで足りるのか? まったくもって神のみぞ知る世界。息子家族と同居してはいますが、(老後を)子どもに頼る気はさらさらありません。

 明日がどうなるのか? どんな一日が待っているのか? ……それさえも予測不可能な人生です。アルフレッド・アドラーの言葉を思い出しました。


 われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。

 人は過去の出来事を気にして心が折れることがある。
人は未来を想像して心が折れることがある。そして今を大切にしないことが多い。

 過去も未来も気にせずに、今だけを大切にする。

 それこそが過去に囚われず、未来の幸せのために必要なことなのです。

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気がかりなこと


 国民年金・厚生年金・生活保護支給額を比較してみました。

国民年金 = 6万4,941円
厚生年金 =14万7,872円

生活保護 =13万3,490円

 国民年金だけの世帯は、貯蓄額によっては生活が破綻します。すると「生活保護世帯」となります。そうなると、(国民年金と比べて)7万円も多く収入があることになります。

 あれ? 何だか変だな?

 この辺りのからくりが、私の中で整理出来ていません。

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