授業を終えて
〜3・4年生〜

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2018.10.28(日)


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依頼されて行った
O小学校(3・4年生)
各3学級の授業を終えました。
授業後
ワークシートを拝見しながら
(児童一人当たり図式3個)
それぞれに
ひと言コメントを書きました。
全て見終えた後
担当の先生に
次のようなコメントを送りました。







1.調べ学習の際、図式にする意義について
(1) 著作権との関わり


 調べ学習の際に文章を丸写ししないための方法の一つとして、要約学習では図式化のノウハウを身に付けるようにしています。文章を読みながら図式化し、手元に残った図式をもとに作文したりプレゼンしたりすれば、著作権にかかりません。

 そこで、中学年では「キーワードの抜き出し」を中心に努めて声がけをしてきました。また高学年では、ぱっと見て文章の内容(組み立て)が分かるような構造化を目指すよう、声がけをしてきました。

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(2) 文章を朗読しないプレゼン目指して


 プレゼンは顔を上げ、聞き手を見ながら語りかけるようにしてこそ成果が上がります。予め作文しそれを朗読するプレゼンは聴衆の視線も散らばり、内容が聴衆にすぅ〜っと入っていきかねます。また、プレゼン(スピーチ)をする際、予め発表原稿を書く労力は(一般的には)ばかに出来ません。ましてその原稿を前もって暗誦するとなると、時間も労力も並大抵ではありません。

 そこで要約学習では「図式」を描きながら、内容を構造化して絵のように脳裏に残します。この図式を基に3〜4回練習すれば、(長さにも依りますが)内容が体にインプットされます。プレゼンする際、この図式を手元に置いて話せば「語りかけるようなプレゼン」が可能になります。話す時間も臨機応変、伸縮自在です。要約学習では、このノウハウを実践的に学びます。

 子ども達のワークシート(図式)を見ると、全体としては「本文をずらずら丸写し」が少なかったと思います。趣旨を汲んで立ち向かってくれたと喜んでいます。中には図式を一切見ずにプレゼンに挑戦したり、実際に実現したりする児童も少なからずいました。

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2.図式の構造化を目指して


 一方、文章の構造化については、全体としては高学年も課題が残っています。キーワードを抜き出しただけの図式では、プレゼンの際に脳裏に内容が残りません。話すときに、図式から目が離せなくなります。

 そこで、それぞれのキーワード同士の関連性、文章全体の構造が分かる図式が描けるように、さらに学習の積み重ねが必要です。今後、さまざまな学習場面で文章を図式化する学習(訓練)を積み重ね、日常生活や学習に生きて働く「図式」が描けるようレベルアップを目指していただけたらと願っています。

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3.情報活用能力の育成


 今年度は、情報活用能力(メディアリテラシー)の育成を目指した学習指導過程も導入しました。3年生は「猫と犬」、4年生は「ネット依存」を取り上げました。反論したり、賛否を議論したり、打開策を話し合ったり、……。この能力こそ「総合的な学習の時間」で目指している究極の学力であり、今後いっそう重視されてくる学力でもあります。

 今後、「要約学習」においても、情報のインプットと情報のアウトプットの「両輪」を絡ませながら、情報活用能力の育成を図っていきたいと考えています。

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