@ タイブレーク制は、試合を長引かせないために取るルールです。導入された高校野球のタイブレークにおいては、延長12回で試合の決着がつかなかった場合、13回表から走者を1塁と2塁に置いてゲームを始めます。ノーアウト1・2塁で攻撃側は得点チャンス、守備側は失点のピンチという状況をつくるわけです。高校野球では、この状況なら打席に入るのがよほどの好打者でない限り送りバントになります。バントが成功すれば1死2・3塁となり、点数が入る可能性が高くなります。延長戦は膠着状態になりがちで、こうして試合を動かすことで決着を早めようというわけです。
A タイブレーク制導入の理由は、まず選手の健康面への配慮があります。延長が続けば投手はそれだけ多くの球数を投げることになるし、野手も緊張感を長く持続させなければならないため、負担は大きくなります。早く決着をつけるルールを設けることで、その欠点を防げます。また、大会をできるだけスケジュール通りに進行させることも出来ます。タイブレーク制は世界大会でも導入されており、野球界全体の流れでもあります。
B 一方、決着をつける状況を意図的につくることに抵抗があるという声もあります。しかし、監督や選手はタイブレークに合わせたプレーや練習をすれば、野球がより面白くなります。攻撃ではバントを絡めて1点を取る方法に磨きをかけたり、守備ではタイブレーク用のシフトを敷いたりといったように、タイブレークの攻防を楽しめばいいのです。