元 寇
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授業対象=中学校3年生
実施=2018.5.17


2018.5.8


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全体像


教材


@ チンギス・ハンが「モンゴル帝国」を作って以降、モンゴル軍は破竹の勢いで勢力を拡大していきました。そして、あっという間に朝鮮半島の「高麗(今の韓国)」に攻め込んでいきました。国力が弱かった高麗は耐え切れず、ついにモンゴル帝国に投降します。その後、クビライはさらに「日本」への征服を決意し、高麗に対して6カ月以内に900隻の船を建造するよう要求しました。

A 1274年、3万人のモンゴル・高麗連合軍は10万人の兵を集めた日本軍と対決しました。連合軍は、日本軍より優れた武器を使って一気に優位に立ちましたが、日本軍を壊滅させるには至りません。日も暮れたので、いったん船に戻って態勢を整えることにしました。ところが、その夜に襲来した台風によって元軍の船は、大半が瞬く間に海中に沈み、日本征服は失敗に終わりました。これを「文永の役」と言います。諦めきれないクビライは 1281年、再び日本に攻め込みます。が、再び台風に見舞われて船が破壊され、大失敗に終わります。これを「弘安の役」と言います。

B 日本では、モンゴル帝国との戦いは『神風』が勝利をもたらしたと信じる人がいます。しかし、池田栄史教授(考古学者)がモンゴル船の残骸をコンピュータ分析したところ、船の多くは著しい手抜き工事が行われていたことを発見しました。池田教授は、「実際は高麗人がモンゴル人に対する報復のために手抜きの船を作ったことが、元軍が壊滅した原因ではないか。」と分析しています。

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合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ




この日の授業では
次のような3層構造で行いました。


この教材を使った学習
25分間


  8分……自学(持ち出す教材は4種類@ABC、教材の文章を図式化)
  6分……4人グループ「(1対1)×3セット」で相互プレゼン
  第1セット=@とA、BとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第2セット=@とB、AとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第3セット=@とC、AとB(プレゼン時間は40秒×2)
  6分……全体プレゼン(@ABC、それぞれ代表者1名ずつがプレゼン)

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10分間
聞き取り ⇒再現(プレゼン)


  メモ(図式)を取りながら聞き取り  ⇒2人ペア(相互に再現)
                     ⇒時間の許す限り全体プレゼン
               
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〜タイトル「部活動」〜

 昨年(2017年)4月、文部科学省は小中学校の教員を対象とした平成28年度の勤務実態調査結果を公表しました。10年前の前回調査と比べ、小中の教員とも勤務時間が増加。週60時間以上だった教諭は小学校で34%、中学校では58%に上っています。

 公立校教員の勤務時間は週38時間45分と規定。上記の教諭は「週20時間以上の時間外労働」が常態化しており、「過労死ライン」(月80時間超が目安)を上回っていることになる。文科省は「学校を支える教員の負担は限界に近い」とし、中教審などで今後対策を議論すると発表しました。

 これを受けて、昨年12月(2017.12.26)、文科省は「学校における働き方改革に関する緊急対策」を発表しました。それによると、「部活動は学校ではなく、地域が担うものとする」という方向性を打ち出しました。特に、「教師の負担軽減」と「適切な部活動指導」を挙げています。日本独特のスタイルを抜本的に見直そうというわけです。

 教師の負担軽減という視点では、すでに「開かれた学校づくり」(1990年)で打ち出されています。部活動の外部委託が予算化され、現在では全国で3万人を超えています。今回の提言では更に推し進め、外部委託を「学校単位」から「地域単位」に移行させたいとしています。

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音声言語で伝えるため
実際には
上の文章通りではありません。
骨子は上記の通りですが
枝葉を付けながら
約6分間のスピーチ予定です。

10分間
指導者のスピーチに反論する


  反論する
   (1) 4分 自分の意見を図式化する。文章で書かない。
   (2) 2分 2人ペア(別室で交互にプレゼンし合う)
   (3) 4分 時間の残される限り、一人ずつ「全体プレゼン」

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これぞ
「総合的な学習の時間」で
求められている学力です。
情報を鵜呑みにするのではなく
批判的精神を持って反論してみる。
その向こうに
自分らしい「持論」が見えてきます。