@ 昨年4月、医学専門誌『クリニカル・ケミストリー』に、驚くべき疫学研究の論文が掲載されました。研究の中で、「健康長寿」の人(健康に年を取っている人、体の老化が進みにくい人)は、オステオポンチンが圧倒的に少ないということが明らかになったのです。
A もともとオステオポンチンは、骨を形成する重要な役割を果たしています。また、傷口を治すために免疫を活性化する役割を果たしています。ところが人は年を重ねるとともに、大量のオステオポンチンを分泌し、免疫を活性化し続けてしまうことが判明しました。免疫がバランスを欠いた状態となると、体の各所で小さな炎症が長期間にわたって続くようになります。これを「慢性炎症」と言います。慢性炎症は動脈硬化の他に、糖尿病・がんなどの発症にも関係していますが、それとともに体にジワジワとダメージを与え、老化を進めることが分かったのです。
B なお、若い人であっても内臓脂肪が多い人(肥満の人)は、オステオポンチンの分泌量が多い傾向にあります。適度な運動に併せて、食事に留意する必要があります。内臓脂肪を増やさない食べ物の代表格は、サバ・サンマ・イワシなどの青魚です。また、食物繊維を含む野菜類も効果があります。食物繊維は、腸内で脂肪を包み込んで排出する機能を持っているからです。生野菜のサラダも悪くありませんが、大根・ニンジン・ゴボウなどの根菜類を加熱して食べる方が効果がより高く出るという結果が出ています。