@ 夏の甲子園2回戦で八戸学院光星(青森)に劇的なサヨナラ勝ちを収めた東邦(愛知)は大会高性能のピッチングマシンを導入していました。このピッチングマシンは人工知能を搭載し、相手投手の配球パターンをまねて球種などを自在に変えて投球することができます。
A 東邦が7月末に導入したのは、石川県かほく市の工作機械製造会社「西野製作所」が2012年に金沢大学と共同開発したマシン「Pitch(ピッチ)18」。相手投手の配球データ(球速・球種・コース)を入力すると、それに合わせて人工知能が配球を決定。3枚のローラーでボールをはさんで投球する仕組みで、ローラーを覆う特殊なゴムの働きにより、直球・スライダー・チェンジアップなど、ほぼ全ての球種が投げられます。 ※ 球種=直球・カーブ・シュートなど投球の種類。
B 東邦は2回戦を前に、光星のエース桜井一樹投手が1回戦で投げた配球を研究。マシンは桜井投手の配球を予想しながら、さまざまな球種を投げ分け実戦に近い形で打撃練習ができました。そして迎えた2回戦。桜井投手は先発しませんでしたが、光星が9−2でリードしていた七回裏から登板しました。新マシンでの練習が奏功し、東邦打線はそこから9回までに一気に10安打を浴びせ、8点を奪って大逆転に成功したのです。新マシンにデータを入力した控えの牧亮介選手によると、「桜井君のボールの軌道は、ほぼマシンの通りだった。」とのことです。2打数2安打で逆転に貢献した鈴木光稀選手は、「練習していた分、目が慣れていた。」と語っています。