変貌する
甲子園への道

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授業対象=中学校1年生
実施=2018.1.26


2018.1.14


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全体像


教材


@ 甲子園は、全国の球児たちの憧れの舞台です。この甲子園を目指す「道」が今、様変わりしています。小学校低学年から通うのはスポーツ少年団ではなく、最先端の野球塾です。中学校では部活動ではなく、常連校にルートがあるクラブチームで野球をする子が増えています。まさに、小学生からの“英才教育”です。

A 野球塾は4泊5日で10万円余りかかりますが、たいへん人気を集めています。週に1回、個人指導の野球塾に通っている小学生もたくさん見られます。取材した野球塾の売り(特長)は、動作解析です。子どものうちから体の使い方を学びます。まず、投球フォームを撮影。どこに問題があるのか、映像をもとに指導を受けます。

B 一方、クラブチームの場合、そのクラブチームが甲子園の常連校にも認められ、多くの選手を毎年送り出しているかどうかが鍵となっています。ただ、中学の部活よりも金銭的な負担が大きいのが現実です。1万円の月謝に加え、グローブは1つ3万円以上。遠征には数万円かかることもあります。今ではクラブチームは、甲子園球児のいわば「主流」とも言えます。調べてみると、今年、夏の全国大会でベスト4に入った高校でベンチ入りをした選手のうち、実に85%近くはクラブチーム出身でした。ただ、こうしたクラブチームはお金もかかるので、誰もが行けるわけではありません。そこが大きな問題点とされています。

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合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ




この日の授業では
次のような3層構造で行いました。

 1)聞き取りメモ
  =「自動運転」の話(指導者がスピーチ)をメモ書き(図式)しながら聞く。
  =その後、2人組になって相互にレゼンしあう。⇒代表者プレゼン

@ 自律走行車(自動運転)の長所は、なんといっても人の命を救えることです。自動車事故の原因の99パーセントは、人的ミスとされています。自律走行車は、この人的ミスを無くします。これによって、交通事故で失われている年間約4,000人の多くの命が救われます。

A 自動車メーカーは、衝突事故をゼロにすることを最終目標としてしています。それを実現するには、周囲の状況をクルマが完璧に検知し理解する必要があります。ところが現在使用されているカメラは、夜間や太陽光が強すぎる場合はうまく機能しません。また、自律走行車に搭載しているセンサーは周囲360度の状況を詳細に知らせてくれますが、弱点もあります。現在のレーダー(レーザー光線を使ったシステム)では雨・霧・埃が苦手です。レーザー光線が大気中の粒子に当たり、跳ね返されてしまうからです。

B これらの検知能力の向上を目指して、今も世界中で研究開発が続けられています。並行して、イスラエルでは数百メートル先にいる歩行者を検知できる「熱感知式赤外線カメラ」という新しい技術を開発中です。人工知能が著しい進歩を遂げつつある昨今、検知能力が進化すれば、自動運転は一気に当たり前の世界がやってきます。

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 2)上の教材を含む4教材を使用。4人グループで相互プレゼン。

 3)2人組になり、一人が別室で(メモをとらずに)一つの情報を聞く。
  =教室へ戻ってペアの人にプレゼン ⇒代表者プレゼン
   教材=「水素発電」&「揚水発電」

              注目される水素発電

@ 東日本大震災(2011年3月11日)による、福島原子力発電事故をきっかけに、川内原子力発電所以外の原発は停止したままです。日本の電力は、(輸入でお金のかかる)石油や天然ガスなどによる「火力発電」に頼る状況となっています。

A これを解決する方法として、「再生可能エネルギー」(現在、発電のわずか 2%)があります。再生可能エネルギーによる発電は、例えば太陽光発電・風力発電・地熱発電などがあります。しかし、それぞれに発電が難しかったり、不安定だったり、お金がかかりすぎたりして、活用するまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

B そこで最近注目されている発電方法が、「水素発電」です。昨年12月、トヨタから燃料電池自動車「ミライ」が発売されました。この自動車は、燃料として水素を積んでいます。空気中の酸素と反応させて発電し、モーターを動かしています。この原理を利用して発電するのが「水素発電所」です。

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               揚水発電所

@ 電力は、現在のところ大規模な蓄電装置(電気を溜めておく仕組み)が実現していません。そこで見直されているのが「揚水発電」です。「揚水」とは、水を汲み上(揚)げることです。揚水発電は、夜間の余った電力を使って低い土地から高い土地に、ポンプで水を汲み上げます。

A 逆に電力がたくさん使われる昼間は、高い土地から水を落として、通常の水力発電のように水車を回して発電します。これによって電力エネルギーが3割失われますが、電力の需給の差(昼間の電力消費は多いが、夜間の電力消費は少ないという差)を巧みに活用した「蓄電」の方法です。

B 揚水発電所は国内に40か所あり、総電力は 2,600万Kw(世界最大)です。しかし、規模が小さい発電所ばかりということもあって、現在の利用率はわずか 3%に過ぎません。現在稼働している国内最大の揚水発電所は、兵庫県朝来市の「奥多々良木発電所」です。ここでは高低差400m、貯水池間の距離4Kmを利用して193万Kwを発電し、夏場の電力安定供給に寄与しています。

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