自動運転
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授業対象=中学校2年生
実施=2018.1.24


2018.1.14


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全体像


教材


@ 自律走行車(自動運転)の長所は、なんといっても人の命を救えることです。自動車事故の原因の99パーセントは、人的ミスとされています。自律走行車は、この人的ミスを無くします。これによって、交通事故で失われている年間約4,000人の多くの命が救われます。

A 自動車メーカーは、衝突事故をゼロにすることを最終目標としてしています。それを実現するには、周囲の状況をクルマが完璧に検知し理解する必要があります。ところが現在使用されているカメラは、夜間や太陽光が強すぎる場合はうまく機能しません。また、自律走行車に搭載しているセンサーは周囲360度の状況を詳細に知らせてくれますが、弱点もあります。現在のレーダー(レーザー光線を使ったシステム)では雨・霧・埃が苦手です。レーザー光線が大気中の粒子に当たり、跳ね返されてしまうからです。

B これらの検知能力の向上を目指して、今も世界中で研究開発が続けられています。並行して、イスラエルでは数百メートル先にいる歩行者を検知できる「熱感知式赤外線カメラ」という新しい技術を開発中です。人工知能が著しい進歩を遂げつつある昨今、検知能力が進化すれば、自動運転は一気に当たり前の世界がやってきます。

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合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ




この日の授業では
次のような3層構造で行いました。

 1)聞き取りメモ
  =「電気自動車」の話(指導者がスピーチ)をメモ書き(図式)しながら聞く。
  =その後、2人組になって相互にレゼンしあう。⇒代表者プレゼン

@ 2年に一度開催する「東京モーターショー」を無事終えた2017年の自動車業界。世界の環境規制を受け、各社はEV(=電気自動車)分野の強化を方針として打ち出しました。トヨタ自動車は、2025年までにエンジン車のみで展開する車種をゼロにすると発表。2030年に自社の販売台数のおよそ半数(550万台)を電動車にし、FCV(=燃料電池車)、HV(=ハイブリッド車)、PHV(=プラグインハイブリッド車)と合わせてEVの開発に本格参入し、電気で動く車(=電動車)の幅広い展開を行うと発表しました。

A ヨーロッパなどを中心とした世界各地でガソリン車の販売を禁止する動きがある中、世界のEV化への流れは一気に拡大しています。トヨタ自動車は海外市場を強く意識する方針変更ですが、国内メーカーの多くはガソリン車中心の認識を変えていいません。

B 電気自動車の課題は「航続距離(電池容量)」と「充電場所」です。今後、画期的な技術革新がないと厳しいと言えます。もしかしたら、現状では1000万円程度と想定される「燃料電池自動車」(燃料は水素)のコストダウンの方が、先に来るかもしれません。もっとも電気自動車も、200万円後半から400万円程度の本体価格がもっと安くなれば、消費者の購買意欲も上がると思われます。

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 2)上の教材を含む4教材を使用。4人グループで相互プレゼン。

 3)2人組になり、一人が別室で(メモをとらずに)一つの情報を聞く。
  =教室へ戻ってペアの人にプレゼン ⇒代表者プレゼン
   教材=「水素発電」&「揚水発電」

              注目される水素発電

@ 東日本大震災(2011年3月11日)による、福島原子力発電事故をきっかけに、川内原子力発電所以外の原発は停止したままです。日本の電力は、(輸入でお金のかかる)石油や天然ガスなどによる「火力発電」に頼る状況となっています。

A これを解決する方法として、「再生可能エネルギー」(現在、発電のわずか 2%)があります。再生可能エネルギーによる発電は、例えば太陽光発電・風力発電・地熱発電などがあります。しかし、それぞれに発電が難しかったり、不安定だったり、お金がかかりすぎたりして、活用するまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

B そこで最近注目されている発電方法が、「水素発電」です。昨年12月、トヨタから燃料電池自動車「ミライ」が発売されました。この自動車は、燃料として水素を積んでいます。空気中の酸素と反応させて発電し、モーターを動かしています。この原理を利用して発電するのが「水素発電所」です。

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               揚水発電所

@ 電力は、現在のところ大規模な蓄電装置(電気を溜めておく仕組み)が実現していません。そこで見直されているのが「揚水発電」です。「揚水」とは、水を汲み上(揚)げることです。揚水発電は、夜間の余った電力を使って低い土地から高い土地に、ポンプで水を汲み上げます。

A 逆に電力がたくさん使われる昼間は、高い土地から水を落として、通常の水力発電のように水車を回して発電します。これによって電力エネルギーが3割失われますが、電力の需給の差(昼間の電力消費は多いが、夜間の電力消費は少ないという差)を巧みに活用した「蓄電」の方法です。

B 揚水発電所は国内に40か所あり、総電力は 2,600万Kw(世界最大)です。しかし、規模が小さい発電所ばかりということもあって、現在の利用率はわずか 3%に過ぎません。現在稼働している国内最大の揚水発電所は、兵庫県朝来市の「奥多々良木発電所」です。ここでは高低差400m、貯水池間の距離4Kmを利用して193万Kwを発電し、夏場の電力安定供給に寄与しています。

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