@ 去る11月29日、北朝鮮が発射した新型弾道ミサイル「火星15型」は、高度が初めて4,000キロを突破しました。この高度は、アメリカ大陸をも射程に入れた(飛距離1万3,000キロ)ことになります。これはICBM(大陸間弾道ミサイル)の実験と見られています。このミサイルの開発を巡り、アメリカだけでなく国際社会の緊張が、これまでになく高まっています。
A 北朝鮮は1993年に1,300キロの射程を持つミサイル「ノドン」を、1998年には1,500キロ以上の射程を持つミサイル「テポドン1号」を発射。また、去年はミサイル「ムスダン」を発射し、射程は4,000キロを超えました。そして今年になって、新型弾道ミサイル「火星12型」「火星14型」「火星15型」が登場しました。しかし、北朝鮮が目標とするICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成には、「核の小型化」や「大気圏再突入技術の確立」など越えるべき壁があり、実際に使えるミサイルの完成までには、まだ時間がかかるという見方が専門家の間では支配的です。
B こうして急速に進むICBMの開発を止めるには、「北朝鮮の核・ミサイルは世界の平和を脅かす脅威なのだ」という認識を国際社会が共有して、一致して制裁を履行するほかありません。もっとも、大きな犠牲を伴う武力行使(戦争)は現実的な選択肢ではありません。北朝鮮との直接対話が、何と言っても重要です。まずは条件をつけない形で対話のテーブルにつかせ、「核・ミサイル開発をやめることがどれだけ自国のためになるのか」、北朝鮮にはっきり理解させることが必要です。