@ 安倍晋三首相は今年5月31日、来年(平成29年)4月に予定していた「消費税再増税を更に2年半延期する」と発表しました。現状では景気が予想通り上向いていないが、2年半後には「東京オリンピックによる経済発展が期待できる」ことを理由にしています。
A 政府は消費税率を 8%から10%に引き上げることで、最大約5兆円の税収増を見込んでいました。この一部を、子育て支援など「社会保障充実策」に充てる計画でした。これが先送りになったため、政府は新たにプランを発表しました。それによると、「保育士給与の2%引き上げや介護士給与の約1万円増は実施する。」、「ただし、財源として赤字国債は発行しない。」、「財源については増税分でなく、経済政策『アベノミクス』の成長で増える税収を使う。」と述べています。
B しかし経済が見込み通り成長して、税収が増えるかどうかは不透明なままです。消費増税によって景気が悪化してしまっては元も子もありませんが、国と地方の借金は今年度末(平成28年度)には、1,062兆円程度にまで膨らむ見通しです。先進国の中で最悪の水準です。「消費税再増税2年半延期」を喜んでばかりはいられません。