@ 近頃、キレる人が多くなったと言われています。人ごみで肩がぶつかった、電車が遅れているのに駅員が謝らない、店員の口の利き方が生意気だったなど、些細なことで激しく怒りだし、ひどいときは暴力沙汰に発展することもあります。
A キレる原因として大きいのは「前頭前野が未発達であること」であることが、脳科学の研究から分かっています。前頭前野が発達していると、たとえ腹が立つことがあっても、欲望や感情を抑える働きをしています。脳は使えば使うほど発達しますが、使わなければ発達しません。したがって子どもの頃、我慢や抑制することを経験せずに育つと、この部分(前頭前野)の発育が弱くなり、キレやすくなるのです。
B 2つ目の原因は、脳の中にあるセロトニンという神経伝達物質の欠乏です。これは前頭前野の機能をスムーズに動かすために必要な物質ですが、これが現代人には不足してきつつあるのです。その原因は、疲労・ストレス・夜型生活・運動不足・人とのコミュニケーション不足などが挙げられています。パソコンやスマホが普及した現代生活には、セロトニン神経を弱らせる要素が満ち溢れていると言えます。