@ 長時間労働、夜勤の増加、インターネットの普及、ストレスなどにより、生活時間が次第に夜型になり、日本は、世界で最も“眠らない国”になってきている。国民生活時間調査(NHK放送文化研究所)によると、「90%以上の人が就寝する時刻」は、1941年には午後10時50分だったのが、年々遅くなり2000年には、午前1時になっている。2009年の経済協力開発機構(OECD)のデータでは、日本人の平均睡眠時間は7時間50分で、韓国に次いで世界第2位の短さ。よく寝ているフランスに比べると1時間も短い。
A 現在、統計によると労働者の約3割が夜勤に就いている。この夜勤の人に睡眠障害が多くみられる。こういう人たちは頭痛、消化器系の不調、がん、糖尿病や高血圧などといった、生活習慣病のリスクが高くなっていることが指摘されている。
B 一方、深刻な不眠症も増えている。不眠症とは、「寝付きが悪い」、「夜中に何度も目が覚める」、「朝早く目が覚め、ぐっすり眠った満足感がない」ことなどにより、さまざまな精神的、身体的症状が起きることをいう。こうした症状が週3日、3カ月以上続くと「不眠症」と診断される。近年、スマホやインターネットの普及により、若者の不眠症が急激に増加している。悩んでいる人は自己判断せず、早めに専門医に相談することが大切だ。