@ 人生の3大支出の一つといわれる教育費。特に比重が大きいのが大学の費用だ。この十数年、国立大学・私立大学ともに授業料が上がり続けている。その一方、親の収入は伸びないままだ。家計の負担が膨らむなかで頼りになる存在が、一般的なローン(借金)より、低い利子や無利子で教育費を借りられる「奨学金制度」である。
A 奨学金制度は、大学・企業・地方自治体(県・市町村など)などが用意している。募集対象が広く、最も多くの人に利用されているのが「日本学生支援機構」だ。同機構の奨学金の利用者は年々増加傾向にあり、2014年度で約140万人(53%)にのぼっている。
B 返済が不要の奨学金制度「給付型」もあるが、親の収入や学業成績など、厳しい基準がある。学生が利用している奨学金の多くは「貸与型」(貸し付け型)で、受け取った奨学金は将来、返す義務がある。卒業した後、月賦で返す(毎月決まった額を返す)のが原則だ。有利子タイプで月10万円を4年間借りると、貸与総額は480万円になる。金利が1%の場合、毎月約2万2,000円ずつ20年間返済する計算になる。卒業後、生活が困らないよう、借りる返済負担が膨らまないように計画的に考えたい。