@ 島根県浜田市の八戸川で6月15日朝、アユ釣り男性がツキノワグマに襲われた。島根県警によると、クマは対岸から現れ、川を渡って近づいてきたとみられる。男性は左手小指を切断するなど重傷を負った。八戸川漁協によると、近年、周辺では人とクマが遭遇する事案が増えている。ただ、「実際に人が襲われたという話は、聞いたことがない。“出合い頭”で襲われることはあっても、今回のように川を渡って対岸にいる人間に襲いかかるような“意図的な事案”の確認はない。」という。
A クマによる人への被害は、全国で相次いでいる。秋田県鹿角市では5月下旬以降、タケノコ採りなどの入山者が襲われる被害があり、男女4人が死亡した。しかも後日、関係者が射殺したツキノワグマを解体したところ、体内から人体の一部が見つかった。
B ツキノワグマは本来、草食に近い雑食性で、草木の芽や葉、ハチやアリなどの昆虫を食べる。動物の死骸も食べるものの、通常、餌として人間を襲うことはないとされる。しかし近年、人間と自然が“共存”する区域にあたる「里山」の荒廃で、クマの生息域が人里に近くなり、人とクマが遭遇するケースが増加。さらに猟師の減少などもあって、被害が拡大しているとみられる。