@ パナマ共和国を舞台に、大きな問題が起こっています。それは、バナナの「新パナマ病」です。日本ではすでに、フィリピン産バナナが値上がりしています。しかし、それどころかバナナがマーケットなど店頭から姿を消す日が来るのではないかというのです。
A 「パナマ病」は、バナナが枯れたり黒ずんだりする病気で、病原菌はカビの一種(フザリウム)です。病原菌が「根っこからバナナの木に感染し、木を枯らしてしまう」怖い病気です。パナマ病の菌株は農園の土壌全体に広がるため、バナナは長期間(最高で40年間)にわたり壊滅的な大被害となります。
B そんな中、オーストラリアのバナナ生産者は、動物の移動を防ぐために農園の周りにフェンスを建て巡らす対策を講じました。その上、人間と機械の出入りを制限し、菌を殺すために自動車と労働者の靴をスプレー消毒を開始しました。現在、新パナマ病の感染は確認されていないとのことです。
C 一方、新パナマ病に強いバナナの開発も始まっています。特に台湾では、何種類も開発されています。ところが、今のところ味が良くなかったり、長距離輸送に向かないものばかりとのことで、開発にはかなりの時間がかかりそうです。