@ 福岡県は、塩化ビニール製の水道管を使ってアサリの稚貝(会の子ども)を育てる装置、「かぐや装置」を開発しました。一般的な水槽での養殖(12カ月)に比べて10ヶ月も成長が早く、1センチの大きさになるまでの期間が2カ月に短縮できたと発表しています。「かぐや装置」と命名した理由は、干潟の竹の中で大量のアサリが育ったことをヒントに開発したことから、『竹取物語』(かぐや姫の物語)になぞらえて付けられました。
A 装置は直径10センチ、高さ8センチの水道管の上下両口に、ネットを張ったものです。0.5ミリの稚貝(貝の赤ちゃん)を中に入れ、市販のプラスチック製のかごに、この「かぐや装置」を複数入れて岸壁からつるします。すると潮の満ち引きによって、ネットの隙間から自然に餌のプランクトンが入ってきます。1センチに成長後は、砂利の入った網袋に入れて干潟に置き、商品サイズの3センチに育てて出荷します。
B 福岡県は平成23年に開発を始め、27年12月に特許を取得。餌代が掛からないため生産コストは稚貝一個当たり、これまでの1円から0.1円にまで削減できました。成長が早い理由は、「砂地より海中の方が効率的に餌を吸収できるのでは?」とみています。