@ 「間伐材は、金の成る木だ」という名言があります。今、「木質バイオマス」が注目されています。木質バイオマスとは、樹木の伐採、製材工場、住宅の解体、街路樹の剪定などから生じる「再生可能な、生物由来の有機性資源(石炭などは除く)」のことです。
A 現在、木質バイオマスによる日本の発電量は、100万KW(原発一基分)です。下川町(北海道)では、木材チップを燃やして作った温水を活用して、シイタケのハウス栽培をしたり、公共施設・病院・学校などの暖房に役立てたりしています。また、瑞穂市(岐阜県)では年間10トンの木材チップ(トラック9,000台分)をボイラーで燃やして発電し、5,000KW(一万世帯分)を供給しています。これは、年間12億円の電力に当たります。
B 当初、木質バイオマス発電は大規模企業が乱立していました。ところが大規模経営が災いして、木材チップの原料集めがうまく行かず、次々倒産しました。2004年、再エネ制度がスタートすると、一気に中小規模の発電企業が増え、今や9割に達しています。材料(木材チップ)は、それぞれの土地で現地調達します。この方法が成功の鍵です。なお、持続的な木材提供を確保するためには、伐採と同時に植林を同時進行で行うことが必要不可欠です。コストダウンのためには、林道整備や木材搬出の機械化も欠かせません。