@ スマートホンを長い時間使う生活を続けることが原因の「スマホ老眼」が、若者を中心に広がっています。スマホ老眼になると、ピントの調節がうまくできなくなります。3年前ごろから、20〜30歳代の患者が急増しています。ちょうど若者が日常的にスマホを使い始めたころと重なります。10歳代でも、同じ症状が広がってきつつあります。
A 老眼とは本来、目の老化現象の一つです。主に40歳代以降に、水晶体という目のレンズのピントを調節する力が低下することによって起きる症状です。一方、スマホ老眼はスマホや携帯ゲーム機で目を酷使することによって、水晶体の厚みを調節する毛様体の筋肉が疲れることによって起こります。まるで老眼と同じ症状です。
B スマホはテレビやパソコンと違って画面が小さく、至近距離で見がちです。特に振動で画面が揺れる電車や、暗い寝室での使用は負担がさらに増えます。スマホ老眼を防ぐためには、スマホの利用時間を制限したり、ときどき意識的に目を休めたりする必要があります。なお、成長期にスマホなどで目を酷使しすぎると、近眼になりやすくなります。成人までに強度近視になると将来、緑内障や網膜剥離などによる失明のリスクが高くなります。