@ 地方に移住して、農業と他の仕事(X)を掛け持ちする暮らし方を「半農半X」と言います。社会状況が大きく変わり、農業だけでは生活が成り立ちにくくなった20年前ごろから「半農半X」が広がってきています。こういう生活の仕方を求めて地方に移住している多くは、30歳代後半の子育て世代です。
A 島根県は2010年度、全国に先駆けて「半農半X」の支援制度を設け、農業の担い手確保とU・Iターン者の呼び込みにつなげています。移住者に農業研修や施設整備の経費を助成し、その対象者は40人以上に上っています。島根県が実施した「半農半X」へのアンケート調査によると、「移住前より幸福感が増した」という回答が多い結果が出ています。その一方で、所得水準の満足度は低い傾向が出ています。働く場がそもそも限られている田舎にあって、「X」の仕事探しが難しいという現状にあります。
B そこで提案したいのは、田舎でも人で不足と言われている保育士・看護師・理学療法士を目指したり、社会企業家や手に職を持つ人を目指したりすることです。それぞれの地方に即した、魅力ある「半X」を模索研究することが急務となっています。