@ 2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に当たって、日本人の「おもてなし」が話題になりました。これは日本古来からある、相手への思いやりや優しさ、つつしみ深さや奥ゆかしさの象徴と言えます。
A この「おもてなし」と誤解されやすいのが「シャイネス」(照れ屋さん)です。以前は、謙遜・謙譲・奥ゆかしさというプラスイメージがありました。しかし、今や「グローバル社会」です。言うべきことはきちんと主張する必要があります。話したいことを論理的に組み立てたり、言い方を工夫したりしないと、国際社会では生きていけません。「シャイですから」という自己防衛、言い訳は、日本人にとって克服すべき課題です。
B フェイスブックやツイッターのやりとりは、単語のやりとりで会話が成り立ち勝ちです。相手に天気と気温を伝えたら事足りるという具合に、表現も事実の伝達が多いようです。そこには感情を込めて言葉を選択したり、語順を考えたりという、表現の工夫がありません。同じ降る雪でも、ぼた雪・吹雪・さらさら雪など、言葉によって醸し出す情感が違います。相手への親しみ、尊敬、繊細な感情が、そこにはあります。自ら心がけて繊細で表現に工夫を凝らす「自己表現力」を磨いていきたいものです。