@ 世界で最も深い海底に到達できる、有人潜水調査船「しんかい12000」の構想が発表になりました。現在活躍している有人潜水調査船は、「しんかい6500」(6500mまで潜れる7隻)です。1990年から活躍しており、これまで1,400回近く海の底に潜っています。東日本大震災が起きた時には、5,350mの海底で亀裂(海底の裂け目)を発見しました。
A しかし、日本近海の「マリアナ海溝」の深さは1万メートル以上(10,910m)もあります。地震探査のためには、水深10Km以上潜れる有人潜水調査船が、何としても必要です。しかし、海中では水深が10m増すごとに水圧が1気圧ずつ増えます。水深が1万2千mなら1,201気圧で、1平方センチ当たり約1.2トンもの力がかかります。有人潜水調査船には、つぶされるほどの圧力がかかります。そこで「しんかい12000」は、窓を厚さ約10センチの強化ガラスにする予定です。
B また、「しんかい6500」は定員3人、最長潜行(いちばん長く潜る)時間が3時間ですが、これを大幅に改善。休憩用の空間やトイレも備え、計6人が最長2日間潜航できるようにします。2020年代後半の完成を目指して、着々と計画が進んでいます。