@ 日本の自然界に生息する(棲んでいる)カメに、異変が起きています。昔から日本にいた「ニホンイシガメ」の数が大きく減り、もともと日本にいなかった「アカミミガメ」が大幅に増えているのです。アカミミガメのふるさとは、アメリカのミシシッピ川流域です。日本では60年前ごろから「ミドリガメ」という名前で輸入されるようになりました。
A ところが、飼い主が捨てた「アカミミガメ」が全国各地で野生化。急激に数を増やし、もとからいた「ニホンイシガメ」の棲みかを奪ってしまっています。もともと「アカミミガメ」はワニなどの天敵が多い所で生息しており、そのため卵を一度にたくさん産みます。ところが日本では天敵(自分を食べる敵)がいないため、爆発的に増えてしまったのです。今では、日本全体のカメの数の6割を占めています。
B 一方、棲みかを奪われたニホンイシガメは、さらなるピンチを迎えています。ペットや食用として中国で人気が高まり、輸出される数が急増しているのです。そこで、日本政府は対策に乗り出しました。ニホンイシガメの輸出を制限するとともに、アカミミガメは輸入禁止にすることにしたのです。