@ 2014年の統計によると、日本人女性の平均寿命は世界1位(86.8歳)、男性の平均寿命は世界3位(80.5歳)となっています。江戸時代は女性が43歳、男性が42歳。終戦直後の1947年(昭和22年)は女性が54歳、男性が50歳でした。以後の平均寿命の伸びは、際だっています。
A 日本人が長寿国である要因としては、まずは医療制度の充実、国民皆保険制度(国民全員が健康保険に加入)が挙げられます。また、日本には独特の食習慣(日本食)があります。脂肪摂取量が少なく、米飯を中心として野菜や魚、豆腐・納豆・味噌など大豆製品の摂取が多い傾向にあります。これらは動脈硬化(老化現象)の進行を防いでいます。
B 一方、最近注目されているのが遺伝的な要因です。日本人と共通の祖先を持つ黄色人種は、極寒の北極圏から熱帯雨林地帯に至るまで、あらゆる環境に適応し生き残ってきました。こういう適応力の高さが、現在の日本人の長寿につながっていると考えられます。なかでも日本人は、典型的な混血人種です。動物の世界でも、雑種(ロバとウマから誕生したラバなど)が病気に強いことが分かっています。こういうことも長寿と関係があるかも知れません。