@ さまざまな事情で義務教育を十分に受けられなかった人が通う「夜間中学校」を増やそうと、文部科学省が動き出しました。文科省によると、ボランティアが運営する自主的な夜間中学校(外国籍の子どもへの日本語教育を行っている学校も含む)は全国約300カ所、外国人を含む約7,400人が通っています。一方、公立の夜間中学校は8都府県の31校、約2千人が学ぶにとどまっています。公立は教科書が無料、授業料もかからないなど生徒側の利点が多く、公立の夜間中学校増設を望む声が強くなってきています。
A 小・中学校時代に不登校であっても、校長が認めれば卒業できる制度になっています。一方、公立夜間中学校への再入学は、「既卒」(既に中学校を卒業)を理由に認められていませんでした。そこで文部科学省は今年7月、中学校で大半を欠席したものの卒業が認められた「形式卒業者」も、夜間中学校に再入学できると規則(法律)を変えました。
B 義務教育段階の学力が不十分な場合、せっかく働く意欲が湧いても、就職の際、大きな壁になっているのが現状です。今回の措置は、夜間中学校で学び直してもらい、基礎学力をつけて就職や進学につなげたいという、文部科学省のねらいがあります。