新しく開発された
人工の骨


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2015.01.25(日)


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山陰中央新報
2015.01.21




全体像







教材
上級編


@ これまでの人工骨は、簡単に形が変えられないとか、何時までも体に残るとか、欠点がありました。この度、この難点をクリアーする人工骨が誕生しました。この新しい人工骨の開発に向けて研究を開始したのは1990年代、東京工業大学 田中順三 教授です。2001年、その研究成果が発表されました。この発表を受け、実用化に向けて動き始めたのが、ペンタックス株式会社(セラミックス製の人工骨を扱う会社)です。

A 私たちの骨は、小さい結晶の「アパタイト」と細長い分子「コラーゲン」から出来ています。この二つの素材を混ぜ合わせる点が高いハードルとなっていました。これをクリアーしたのが、田中教授です。体温に近い温度で二つの素材を反応させると、二つがきれいに並んで細長い繊維(1mm)出来るという、不思議な現象を発見したのです。さらに驚きは、体内で自然に本当の骨に変化することが分かったのです。

B 商品化する上で、次に課題となったのは、作製した細長い繊維に細胞が入りやすくするため、1/10 mm の小さい孔を開ける技術でした。これについては、きめ細かい氷の結晶を造る「アイスクリームの製法」がヒントになり、安定して小さい孔を開けることが出来ました。更に医療現場の声を取り入れて、伸縮自在に形を変える「スポンジ型人工骨」の製造にも成功しました。

C こうやって、多くの困難を乗り越え、この度、ヒトの骨にきわめて近い人工骨「リヒット」が誕生したのです。

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コメント
これまでの人工骨は
チタンやタングステンなどの金属
または
セラミックやサンゴ素材など
人体との親和性が高い素材が
用いられてきています。


経年劣化や
高齢化による不具合の発生など
定期的にメンテナンスが必要でした。

その点
今回開発されたリフィットは画期的です。
10年の年月をかけて
ついに開発された
夢の人工骨。

夢を与える内容で
教材としても価値があります。