�@　軽くて丈夫な「炭素繊維」の用途がどんどん広がっています。2020年頃には今の３倍〜４倍の需要があると見込まれています。この炭素繊維は、鉄と比べると重さは四分の一、強さは引っ張りに１０倍、変形に７倍の強さを誇っています。また、錆びにくい、熱に強い、歪みにくいなど、多くの特性を持っています。1961年に日本で開発され、今も日本メーカーが世界の需要の７割〜８割を占めています。

�A　この「炭素繊維」は、「アクリル繊維」を1,000度〜2,000度で高温処理して作ります。「アクリル繊維」は石油から作られる繊維で、繊維化に成功したのは1944年。合成繊維の中では最も羊毛に似て柔らかく、暖かみのある肌触りの繊維です。

�B　アクリル繊維から作られるこの炭素繊維は、巻くことによってガスタンクに使っています。また、成型することによって自動車（水素タンク・骨格・部品）、航空機（胴体・主翼・尾翼など）、スポーツ用具（ゴルフクラブ・テニスラケットなど）、家電（パソコンの外装など）に活用されています。ただ、炭素繊維は加工に時間がかかること、価格が高いことが、現在の課題となっています。