「分かりやすい説明」のルール
第1章

分かりにくくする原因


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2014.11.21(金)


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発行=2011.4.20 初版発行

木暮太一 氏
1977年に千葉県船橋市に生まれる。
慶應義塾大学経済学部に入学。
慶大在学中に自主制作した
学生向けの経済学入門書が
大学生協や一般書店で累計5万部を突破した。
大学卒業後は、
富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートに勤務。
現在は
ビジネス書作家として活動しつつ、
企業内・組織内での講演なども多数行っている。






標記の本を本屋で発見
目次と最初の部分をさっと読みました。
冒頭から
全く同感・納得の内容です。

さっそく購入し
熟読することにしました。

通読したら
「要約学習」のサイトに
全文の内容を紹介するつもりです。
取り急ぎ第1章のみ
図式化しましたので。
コメントの部屋に掲載し
紹介することにしました。




まえがき

P3〜P9


 分かりやすく説明することの重要性については、中学校時代にさかのぼります。先生の説明がまったくもって分かりにくいのです。これを解決してくれたのが、予備校です。大きなヒントを得ました。以後、「分かりやすく説明する」ことについて追求してきました。

 限られた時間内に「分かりやすく説明」することは、学校では教えてもらえません。それは、能力やセンスの問題でもなければ、文章力を鍛えればうまく行く問題でもありません。理にかなったトレーニングが必要です。

 ちなみに一般書を求めて読んでみると、「元気よく」とか「ハッキリ」とか「間を使う」とか「ジェスチャーの活用」などとアドバイスがしてあります。これらは表面的なことでしかありません。料理で言うなら「演出」です。根本の「料理そのもの」を極めなければ、「分かりやすい説明」は実現しません

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コメント
そうです。
今行っている「要約学習」こそ
この分かりやすい説明の仕方
そのものズバリを学ぶ授業です。

私は現役時代
国語の授業を積み重ねてきましたが
分かりやすい説明をテーマにして
授業した記憶がありません。

平成19年度
赤来中学校で始まった「要約学習」
これをスタートにして
文章の取り込み ⇒図式化 ⇒プレゼン
という一連の授業スタイルを
確立していきました。

ぱっと見て分かる図式が描けたら
プレゼン(説明・スピーチ)も
それに比例して
理解しやすいものになります。

むろん
歯切れのよい話し方をするとか
語尾をハッキリ言うとか
大事なことは繰り返すとか
大事なことを言う前に間をおくとか
え〜とかそのぉ〜など
耳障りの悪い言葉を入れないとか
テクニック的なことは大事です。

しかし
それらは筆者の言うとおり
料理の演出でしかありません。

ズバリ本質は料理のおいしさ
つまり
話の中身です。

そのためには
まさに「図式力」を高める
トレーニングが必要です。








第一章
説明を分かりにくくする原因


P18〜P42


 分かりにくい説明とは、どんな種類か? まずは、ここを探ればヒントが得られます。ひとことで言うなら「知らないから分からない」「理解できないから分からない」のです。以下、3点挙げます。

(1) 目下の話題(テーマ)が分からない
 テレビのニュースを見れば分かります。まずは冒頭で、出来事の概要を説明します。その後に、詳細の説明に移っていきます。

(2) 意味不明の単語
 例えば、アゼンダ・フルコミット・アサインのような専門用語です。また、チョベリバ・SKY・BMなど女子高生言葉もそうです。

(3) 論理が欠けている
 論理に飛躍があったり、説明すべきことを省略されると、聞く方は理解できかねます。

 ということで、上記を受けて「分かりやすい説明」を挙げます。
(1) 何のテーマか分かる
(2) 単語が分かる
(3) 論理が分かる

この3点が分かりやすく説明するときのキーワードです。

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コメント
実にスッキリとしました。
全く同感です。

(1)については
母との会話でよくあります。
何について話そうとしているか
分からないことがしばしばあります。
話題が分かったと同時に
一気に霧が晴れます。

だいたいは途中で
何の話か予想が付きますが
時には言葉が頭の中で踊り出すので
「何の話?」と問わざるを得ません。


(2)については
パソコンが故障して
電気屋さんに来てもらたときが
そうでした。
故障の原因を説明されるんですが
専門用語がぽんぽん飛び出すので
外国語を聞いているような
錯覚に陥りました。

最初は言葉の意味を
尋ねていたのですが
途中から諦めて
分かったふりをしていました。

昔々の話です。
中学校畑の私が
校長昇任とともに
初めて小学校へ異動しました。
さっそく入学式です。
相手はこの間まで
保育園児だった子です。
いやはや
話す言葉の一つ一つに
とても気を遣ったことを
思い出しました。


(3)については
まさに図式が描けない状態です。
日常会話の場合は
話しておられる途中で
聞き返したり質問したり出来ます。

問題は講演会のような場合。
一方的に言葉が流れてきます。
頭の中で図式にならないと
思考回路が混乱します。
「結局今、何について話しておられるんだろう?」
「さっきの話はどこへ行ったんだろう?」
こういうケースが多いようです。

つまり
話が枝葉に移っていって
さらに枝葉に分かれていって
聞く方は暗闇を彷徨う状態です。
気を付けなければと思います。



この本は
まだ第1章を終えたばかりです。
第9章の「最終試験」まで長い道のりです。
明日から時間を見つけて
一気に読み進めたいと
楽しみにしているところです。


蛇足ですが「おわりに」で
次の2点を強調しておられます。

一つは
「相手をお客さんと思うこと」
今ひとつは
「相手に合わせた表現をすること」