ステーキ店長「パワハラ自殺」
遺族全面勝訴

.

2014.11.8(土)


要約学習の部屋に戻る

教材づくりの部屋へ戻る


全体像








教材
上級編


@ 飲食チェーン「ステーキのくいしんぼ」の店長だった男性(当時24)が、2010年に自殺したことについて、東京地方裁判所は2014年11月4日、運営会社に約5,790万円の賠償を命じました。男性は2007年に入社。以来、自殺するまでの少なくとも2年間、1日12時間以上の長時間労働や休日出勤が当たり前になっていました。店長ということで、超過勤務手当は払われていませんでした。

A 男性は上司から、発注ミスを理由に休日呼び出して「バカだな」「使えねえなぁ」など暴言を浴びせられたり、しゃもじで殴られたりするなど、日常的に暴行を受けていました。さらに、仕事後に無理やり食事やカラオケに付き合わされたり、休日に「ソースを買ってこい」など使いっぱしりをさせられたりもしていました。これらは全て「パワハラ」に当たります。

B 判決によると、男性は高校卒業後、別会社を経て2007年5月からこの飲食店で勤務。2009年7月、店長に昇格しましたが、2010年11月に遺書を残し、ビルの非常階段で自殺しました。この件が裁判になると、会社は「労働が苦痛ならばとっくに退職している」と主張し、会社の責任を否定。自殺の原因は「恋人関係や親子関係がうまく行っていなかったからだ」と反論していました。

C 今回の判決で裁判長は、被告である会社に対し、「長時間労働やパワハラが自殺につながったもので、ほかの原因は認められない」、「儲けを目指すあまり、適切な労務管理体制(働くルールづくり)を取っていなかった」と断じ、上司や社長の個人責任も認めました。

.
※ パワハラ =上司が部下に対して行うなど、職場でパワー(権力)を使ったハラスメント(いやがらせ)。


コメント
こういうケースは
案外
氷山の一角かも知れません。

ブラック企業が話題になっています。
3年以内離職者が多い会社は
要注意と聞いたことがあります。
しかし
このケースは
最悪の事態です。

本人はもとより
ご家族にとって
裁判に勝っても
何も報われない
むなしく悲しい
悲惨な事件です。

この教材は
赤来中学校2年生を対象に
11月18日「要約学習」に
持ち出そうと考えています。

持ち出す教材4本中2本は
人権問題を扱った教材を指示されています。
そのうちの一つです。

夏休みに職場体験をした
2年生の皆さんには
遠くてしかし
とても近い問題です。
どんな感想を抱くでしょうか?