新聞の記事
コメ販売ルートに変化


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2014.10.20(月)


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山陰中央新報
2014.10.19



全体像













概算金
大幅減




 米の消費が長期低迷傾向にあります。民間在庫(備蓄米)も増える傾向にあります。こういう中にあってJAは、概算金(コメの出荷時に、JAから農家に支払う一時金)の大幅減を断行しました。30Kg が4,500円(前年比 1,600減)ということで、小規模農家にとって大きな痛手です。農家からは、「この買値では、作業委託料(稲刈り・乾燥代金)がほぼ消える」と悲鳴を上げています。

 この結果、米の販売ルートに変化が出始めています。農家は「JAから見放された。」との思いが強く、買い取り価格が少しでも高い「米穀店」(一例として買い取り価格 5,500円)へ持ち込む動きが出ています。

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コメント
JAが値下げをした事情は
なるほど理解できます。

いかに言っても
6,100円 ⇒ 4,500円です。

JAを信じ
JAを頼って頑張ってきている
農家を
一方的に奈落の底に落とすような
そんな唐突な宣告です。

JAは小規模農家が
落胆し悲鳴を上げている事態を
どのように見ているのでしょうか?

それでなくても
「農家を食い物にしてきた」などと
陰口さえあるJAです。
何とも割り切れない宣告です。








大規模農家でも……


  大規模農家においても、例えば「田子作」(戸河内の農家)の場合、昨年度はJAへの出荷が5割でしたが、今年度は2割まで落としまし。東京や沖縄まで、独自で販路を拡大しています。

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コメント
大規模農家の場合
かなりの収量を抱えていますので
独自の販路拡大も可能です。
うまい米なら
必ず買い手が付きます。
5割から2割へという方策は
生き残り作として
当然の成り行きです。









JAの米購入は減るか?


 昨年度、島根県内の米の収穫量は 9万トンでした。買い取りの状況は、JAが5割、民間業者が2割、縁故が3割というところでした。今年度は、JAが減る見込みです

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コメント
縁故が3割というのは
少し驚きました。
途中に仲買人が入らないので
売る方も買う方も
お互いに幸せな方法です。








JAの巻き返し


 今年度、JAの米購入は、昨年度同期(10/10現在)と比べて 85%。米の安定供給のためにも米の購入は需要との判断から、さまざまな対応策を講じています。お願いチラシを配ったり、特別奨励金(30Kg あたり350円)を新設したり、農家訪問をして要請したりしています。

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コメント
JAが担ってきている
米の買い取りから
販売店への売り渡しという任務は
農家にとっても
ありがたい存在でした。

でも
米を作るまでの過程で
農薬・機械の購入など
農家からずいぶん儲けているはずです。
販売のところでは
もっともっと良心的に
農家の立場に立った方策を
まずは考えてほしかった。

慌てて? の対応策は
少なくとも私には
自己保身としか映りません。








今後は?



 今後の見通しとして、米の価格は低迷すると考えられます。こういう中にあって、農家の販路拡大、大規模化、飼料米(補助金が高い)の生産という流れは避けられないと思われます。

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コメント
いずれ
TPPへの参加なくしては
日本は立ち行かなくなります。
農業(米作り)への打撃は
計り知れません。

そのあたりの
政府・JA・農家の
長期的展望について
是非知りたいと思っている私です。







教材
中級編


@ 米の消費が、近年はずっと低いままで推移しています。備蓄米も増える傾向にあります。こういう現状の中、JAは概算金(コメの出荷時に、JAから農家に支払う一時金)を大幅に下げました。30Kg が4,500円(前年比 1,600円減)ということで、小規模農家にとって大きな痛手です。農家からは、「1,600円は、作業委託料(稲刈り・乾燥代金)とほぼ同額だ。」と悲鳴を上げています。

A こういう厳しい状況にあって、米の販売ルートに変化が出始めています。農家は「JAから見放された。」との思いが強く、買い取り価格が少しでも高い「米穀店」へ持ち込む動きが出ています。大規模農家においても、例えば「田子作」(邑南町の農事組合法人)の場合は、昨年度はJAへの出荷が5割でしたが、今年度は2割まで落としまし。その分、東京や沖縄まで、独自で販路を拡大しています。

B 一方、JAの米購入は昨年度同期(10/10現在)と比べて 85%に止まっています。米の安定供給のためにも米の購入は重要との判断から、さまざまな対応策を取り始めました。お願いチラシを配ったり、特別奨励金(30Kg あたり350円)を新設したり、農家を訪問したりしています。

C 今後の見通しとして、米の価格は低迷したまま推移すると考えられています。農家の販路拡大、大規模化、飼料米(補助金が高い)の生産という流れは避けられません。

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※ 備蓄米=凶作・天災などで米不足になったときに備えて、政府が購入し保管する国産米。

※ 農事組合
=農業生産についての協業を図ることにより、
組合員の共同の利益を増進することを目的として、
農業協同組合法に基づいて設立される法人。
比較的小規模のため、人的結合の強い組織であるという性格を持っています。