@ 今年のノーベル平和賞をめぐって、「憲法9条を持つ国民」が受賞するのではないかと期待が持たれていました。その趣旨は、戦争の放棄と戦力の不保持です。しかし、海外からは「自衛隊は軍隊ではないのか?」という疑念が寄せられています。
A 日本政府は「自衛隊は戦力には当たらない」としています。自民党は「国防軍として憲法に位置づけるべく、憲法9条を変えるべきだ」と主張しています。最高裁は、ずっと判断を避けてきています。法学者の間では、「自衛隊は違憲」とする者も相当数います。
B ただ、確かに言えることがあります。憲法9条があるから、自衛隊の装備、活動範囲、防衛費も抑えられてきました。攻撃兵器も持たずに来ています。海外での戦闘目的での自衛隊派遣(集団的自衛権の行使)は、否定され続けてきています。何よりも太平洋戦争後、日本は戦争によって一度も殺さず、また、殺されることなく今日に至っています。
C このような戦後日本のあり方に対して、「日本は一国平和主義ではないか」という批判もあります。米国流の国際貢献のあり方こそ、先進国としての役割だという批判もあります。しかし、日本は一国だけではあるにせよ、「平和国家」として69年間も歩み続けてきているのです。