@ 今、回る交差点が注目されています。名付けて「RAB」(Roundabout)、日本語の翻訳は「環状交差点」。信号機のない円形の交差点のことを言います。ここでは、環状道路を走行中の車が優先です。枝道の車は、車が来ない時を見計らって「環状道路」に侵入し、行きたい枝道に来たら左折します。
A この方式は欧米で導入されており、交通事故の減少や交通渋滞の緩和に成果を上げています。この成果を背景に、昨年から日本でも導入が始まっています。
B このRABは、1960年代にイギリスで始まりました。1990年代にはアメリカで普及し、今では二千か所を超えています。また、オランダ・ドイツ・デンマークなどでも導入され、成果が報告されています。
C 日本では昨年2月、長野県飯田市で初めて導入されました。建設費用は、4,700万円とのことです。以後、軽井沢町、守山市などに導入され、今後は全国に広がる見込みです。
D 環状交差点の長所は、停電でも大丈夫ということが挙げられます。たとえ災害のために停電になっても、もともと信号機がないのですから全然問題ありません。信号待ちもなく、また、これまでのデータから交差点での事故がぐんと減っています。
E ただ、問題点もあります。交通量が多いと枝道が渋滞することです。ですから、交通量の多い場所では有効ではありません。郊外の生活道路、市街地の裏道、高速道路の出口などで有効とされています。