ゆで卵と生卵とを比べると、生卵の方がだんぜん長持ちします。例えば冷蔵庫で保存する場合、夏なら生卵は2週間、ゆで卵はせいぜい3日です。また、冬なら生卵は一ヶ月、ゆで卵は一週間程度です。
なぜ、生卵の方が長持ちするのでしょうか? 生卵は生きており、ゆで卵は死んでいるからです。
生卵の表面には、「気孔」という目に見えないほどの小さい穴が無数にあります。この気孔を使って空気を入れ換え、「胚」は呼吸をしているのです。また、白身にはばい菌を殺したり、腐るのを防いだりする成分が含まれています。だから長持ちするのです。
ところが、卵を茹でると「胚」は死んでしまいます。空気の入れ換えも行われなくなり、ばい菌を殺す成分も働かなくなります。卵は一気に腐ります。