要約学習
赤来中1年生
平成26年度
第1時間目/年間5時間
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2014.5.28(水)


 平成26年度、2年生 第一回目(年間5時間)。要約学習は未体験の生徒たちです。何のための、何を目指した授業かを伝えるとともに、要約学習への導入という、極めて重要な授業です。気合いを入れて、役作りをしっかりして、授業に臨みました。

 
 授業は、以下の2点について解説を交えながら、二人一組になって、「聞き取り」⇒「友達に再現」という流れです。

 3サイクル目からは「メモを取る」ことを入れようと思いましたが、生徒がメモを取らずに再現したいと希望したため、最後(4サイクル)まで、ずっと「メモなし」授業で流しました
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総合学習は何を目指した授業か?



生徒に聞くと
「調べ学習!」と答えました。
「いろんな体験をすること」と答えるかな?
と思っていましたが
立派な1年生です。

この反応をとっかかりにして
「要約学習」では
どんな力を付けるのかについて
やりとりをしながら
解説をしました。










図式力を向上させる!



これまで小学校では
「メモ」という名前で
学習を重ねてきたことと思います。
「図式」については深入りせず

この日の授業の中で
8枚の図式を見せることによって
薄ぼんやりと
その輪郭をつかんでもらいます。









         





この部屋に紹介する文章や図式は
コピーして使ってもらっても
いっこうにかまいません。









          
要約学習の 導入時 に活用する 教材の 例です。
          






ここから二人一組。
別室で
私の朗読を聞き取って
その内容を
教室で待つ
ペアの友達に伝えます。

その後
指導者が
図式を投影しながら
解答をします。








@
カメムシ


 カメムシは、敵から身を守るために、いやなにおいを出すことがあります。
 しかし、そのためだけでなく、仲間に知らせる信号としてにおいを出すこともあります。しかも、においの強さによって、信号の意味が変わっているのです。例えば、強いにおいを出せば、集まっていた仲間どうしが散ったり、弱いにおいでは、逆に、散らばっていた仲間が集まったりするのです。

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図式化















A
タツノオトシゴ


 タツノオトシゴは、その名前やすがた形もおもしろいが、子どもの産み方も変わっている。
 ふつうの動物はメスが子どもを産むが、タツノオトシゴは、オスが子どもを産む。
 メスがオスの体内のふくろの中にたまごを産み、オスの体の中から小さなタツノオトシゴたちが生まれてくるというわけだ。

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図式化















B
キリン


 キリンは、世界一背が高い動物です。背が高いので、木の高いところの葉っぱも食べることが出来ます。他の動物にえさを奪われることはありません。
 また、高い場所から見下ろすことが出来るので、ライオンなどの敵をいち早く見つけることが出来ます。他の動物は、キリンの様子を見て、危険を知ることが出来ます。キリンは、草原の見張り番でもあるのです。

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図式化
















C
砂漠のサボテン


 砂漠に生えるサボテンには、いくつかの共通する特徴があります。
 例えば、葉は、水分の蒸発を防ぐために、棘のように細くなっています。また、茎は、水分を多く蓄えられるるように、太くなっています。それから、根は、少しの水分でも吸い上げられるように、長くて四方に張っています。
 サボテンには、このような特徴があるので、一年中、ほとんど雨が降らない砂漠でも生きていくことができるのです。

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図式化















D
イカやタコ


 イカやタコは、体の色を変える天才です。それは、棲んでいる場所によって、海草の色になったり、砂の色になったりするからです。しかも、一瞬にして変化するので、まるで忍者か魔法使いのようです。
 この色の変化は、皮膚の下にある、色を出す細胞によるものです。この細胞を大きくしたり小さくしたりすることで、思いどおりの色を出しているのです。

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図式化
















E


 悲しいときにも嬉しいときにも、涙は出ます。涙は、どんな役割をしているのでしょうか。
 では、涙はどんな役割をしているのでしょうか。
 一つは、目の表面をいつも湿らせて、目に入るばい菌を殺したり、小さなゴミを洗い流したりすることです。
 また、涙を流すことで目の表面を滑らかにして、よく見えるようにすることです。さらに 、目に必要な酸素や栄養を与えたりもしています。
 このようなことから、なみだは「最高の目薬」と呼ばれているのです。

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図式化
















F
消しゴム


 消しゴムは、今から250年前にイギリスで誕生しました。最初は、名前の通り「ゴム」で出来ていましたが、50年くらい前からプラスチックを使った消しゴムが生まれました。
 消しゴムが誕生する前は、パンを練ったものが使われていました。今でも、絵を描く人の間ではパンが使われています。絵を描くための紙は、普通の紙より柔らかいので、パンが使われているのです。

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図式化















G
ハブとマングース


 百年ほど前、沖縄で毒蛇のハブを退治するため、ハブを捕って食べるといわれていたマングースを、外国から連れてきて放しました。
 マングースは、すぐに増えました。が、ハブは減りませんでした。マングースは、ハブよりも簡単に捕れる小動物を食べていたのです。そのなかには、沖縄にしかいない珍しい生き物も含まれてていました。
 こうして、沖縄の珍しい生き物は少なくなってしまいました。人間の勝手な考えで、生き物の棲む場所を替えてはいけないのです。

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図式化





いつものことですが
聞き取った内容を
ペアの友達に伝える学習は
ちょうど
伝言ゲームのような
ゲーム感覚で取り組めます。
教室は
熱くヒートアップしました。

そこで感じるのは
ぜひ伝えたいという
意欲・熱意の重要さです。
生徒の皆さんには
この熱い思いを
これからも大事にしてほしいと
授業の途中で2度
伝えました。

次の授業では
少し長かったり
複雑だったりする内容の
教材を持っていきます。

その体験を通して
メモの必要性・必然性に
気づいてもらわねばなりません。
そこで
いよいよ
図式の登場です。

更には
音声言語から文字言語へという
重要な移行も行います。
次の授業は
要約学習の流れの中でも
とても大事な時間となります。