要約学習
赤来中3年生
平成26年度第1時間目
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2014.5.7(水)


 平成26年度の要約学習がスタートしました。まずは、3年生 です。

 今年度の要約学習について、校長先生から次の
3点について依頼がありました。

 
1) 授業の中に「学び会い」を入れてほしい。
   ……今年度、学校の研究の中心にするので。
2) 教材に「人権関係」を入れてほしい。
   ……今秋、人権・同和教育研究大会;会場校なので。
3) 図式 ⇒プレゼン で授業が終わっているが
 要約文を書くという授業も、3年生後半に盛り込んでほしい。
   ……中高一貫教育選抜試験で「作文」があるので。

 今回は、(1)と(2)について取り入れ授業を展開しました。ただ、(1)導入については、時間との戦い。特にこの日は短縮授業。 ……5分の延長授業となってしまいました。失敗の巻です。

 次回については、持ち出す教材を(今回の)4本から2本か3本に減らす。教材内容の難易度を落とす。この二点について、改善することを考えています。

当初の予定

@ 02分 導入……よい図式の説明(目標は、絞り込む!)
A 15分 個人学習(各自、手渡された文章の図式を書く)
B 05分 個人学習(キーワードを5つに絞り込む。)

C 05分 3人グループで、キーワード5つを相談。
D 08分 2人ペアになり、お互いの文章をプレゼンし合う。
     
=違う文章同士がペアになって行う。
E 10分 代表者4人による全体プレゼン。

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DEで計5分間、予定以上に時間がかかりました。

            
            
            

ちなみに
昨年度の学習指導過程

10分 導入……聞き取りテスト2本
15分 個人学習(各自、手渡された文章の図式を書く)
07分 2人ペア同士が、お互いの図式を頼りにプレゼンし合う。
     
=前半1分は図式メモを見ずにチャレンジ!
07分 同じ文章を図式化したもの同士が、図式を見せ合う。
     ⇒代表者1人を選ぶ。(出来れば見ずに再現できた人)
10分 代表者5人による全体プレゼン。

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 では、文章と図式とあわせて紹介します。

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戦争の放棄を定めた憲法9条に
ノーベル平和賞か?


生徒作成の図式












@ 神奈川県の一主婦、鷹巣直美さん(37歳)が始めた「憲法9条にノーベル平和賞を」という動きが急展開しています。今年4月9日、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から推薦を受理したとの連絡があり、正式に「ノーベル平和賞」候補になりました。「集団的自衛権」の行使や「改憲(憲法を変える)」が議論される中、「今こそ平和憲法の大切さを世界に広めたい」と願っての行動だそうです。

A この取り組みを始めると協力者が次々現れ、約2万5千人の署名を添えて、今年2月1日にノーベル委員会に推薦書を送りました。受賞者は人物か団体のみで、「憲法」そのものは受賞できません。考えた末、鷹巣さんは受賞者を「日本国民」にしました。

B 2012年の平和賞は、欧州連合(EU)が受賞しています。受賞理由は、「EUは、ヨーロッパの平和と民主主義と人権の向上に貢献した」とされています。鷹巣さんは語っています。「現在のEUには問題もありますが、ノーベル平和賞は、理想に向かって頑張っている人たちを応援する意味もあると思います。日本も9条の理想を実現できているとは言えませんが、9条は受賞する価値はあると思います」。
※ EU =欧州連合。European Unionの略称。ヨーロッパの地域統合体。価値観、平和、市民の福祉を促進することとしている。

C 鷹巣さんは、次のようにも語っています。「日本国憲法は、徹底した戦争の放棄を定めた国際平和主義の憲法です。特に第9条は、戦後、日本国が戦争をできないように日本国政府に歯止めをかける大切な働きをしてきています。実際、日本は今の憲法が出来てから、70年近く戦争をしていません。この間、日本は一人も戦争の犠牲者を出していません。こういう誇るべき歴史を刻んできている日本国民の受賞には、大きな意味があります。これをきっかけに、日本国民が憲法9条を考えたり、平和を考えるたりするきっかけになれば、とても嬉しく思います」。

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指導者サンプル






















障碍者だって幸せだ


生徒作成の図式















@ 私は、生まれる前からの障碍で、右手の指がありません。そんな私が気になることは、「障碍者はかわいそうだ」と思っている人が多いことです。でも、障碍者はそう思っているでしょうか。少なくとも私は「自分がかわいそうだ」とは思いません。私は幼稚園の頃に、よく「かわいそうだね。」、「おててちっちゃいのにすごいね。」と言われました。もちろん、けなすつもりも、相手を傷つけるつもりもない、優しさのある言葉だと思います。でも、この姿で生まれ、生きてきた私にとっては、いちばん傷つく、悲しい言葉なのです。

A ほとんどの人は、手と足が左右一対で生まれてきて、それが当たり前で生活しています。私も右の手の指が根元しかない状態で生まれてきて、右の指がないのが当たり前で育ってきました。もちろん健常者の人と比べると、できることが限られてはいます。

B 私が嬉しいと思うのは、「出来るところまで自分でやりたい」という、私の思いをわかってくれている人達がいることです。仲良くしてくれている友達や、先生方は、私が「手伝って。」とお願いするまで、温かく見守ってくれます。

C 母は、右手を隠さないことに慣れるよう、私を物心が付く前からスイミングスクールに通わせました。一歳から、はさみを使ってお菓子の袋を開けさせたり、左手でも不便しないように、鉛筆・はしの持ち方を教えたりと、いろいろな工夫をしてくれました。そんな母は、私が障碍があることで周りの人に甘えたり、気を遣わせるような行動をとったりしたときには、特に厳しく叱ります。

D 障害があっても幸せに生きていける社会、障碍者と健常者とが理解し合って生きていける社会になるよう、まずは私自身が日々楽しく生きていくように心がけたいと思っています。

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指導者サンプル






















共に生きるということ


生徒作成の図式













@ Kさんという目の不自由な方が「人権学習」のゲストティーチャーとして、私達生徒の前で話をしてくださいました。少し緊張ぎみで待つ私達生徒に、Kさんは微笑みながら「これからみんなで目をつむったまま、水を汲みに行きましょう。」と言われました。コップを手にした私達は、しっかり目を閉じ、教室の壁をつたいながら恐る恐る足を進め、廊下の先にある手洗い場まで行きました。そして、手探りで蛇口をひねり、コップに水を汲みました。

A みんな口々に、「目が見えないのって怖いよねー。」とか、「どこに何があるのか分からないねー。」などと言いあいました。そんな私達の様子を見ていた担任の先生が、「目の見えない方が、どれほど大変で、不自由な思いをされているのかよく分かりますね。」と言いました。

B その時です。Kさんが、「先生、そうではないのですよ。子ども達は、目が見えなくてもちゃんと一人で歩いて行き、水を汲むことができました。目の見える人とは方法が少し違っていますが、目が見えなくても健常者と同じことができることを知ってほしかったのです。」と言われたのです。

C そして最後に、「目が見えないことは、背が低いとか足が遅いというのと同じように、個性の一つだと、私は思っています。」と言われました。Kさんに出会う以前の私は、「障碍を持つ人は不自由を強いられ、気の毒で可哀想な人だ。だから、優しくしなくてはいけない。手助けをしてあげなくてはいけない。」と考えていました。しかし、それは健常者の目線でしか物を見ていない、思い上がりだったと気づかされたのです。

D 障碍を持つ人に対して、「気の毒」とか「可哀想」とかいう気持ちで接すること自体、どこかで差別の心があります。健常者も障碍者も、同じように自分の足で歩いていかなければなりません。私達がすべきことは、さまざまな障碍を持つ人のことをもっと積極的に学んだり、理解したりすること。そして、健常者の私自身こそ、しっかりと自立する努力をすることだと思います。

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指導者サンプル






















STAP細胞


生徒作成の図式













@ 体のどんな部分にもなる新しい万能細胞として、STAP細胞を作ることに小保方晴子さんたちのチーム(理化学研究所)が成功。2014年1月30日に報道発表がなされ、世界中を驚かせました。

A マウスの体の細胞を、弱い酸性の液体に30分つけるだけで万能細胞になるとのこと。あまりに簡単に出来るので、世界中の研究者が驚きました。これが人間の細胞でも成功すれば、けがや病気で悪くなった内臓などを人工的につくって治す、未来の治療につながると期待されています。小保方さんは、「病気の箇所の内臓をつくって移植出来るだけではなく、夢の若返りが実現するかも知れません。」とピーアールしました。

B ところが発表後、インターネットなどで、この論文は画像などに不自然な点があるとの指摘が相次ぎました。論文にコピペ(盗用)があることも判明しました。さらには、論文発表後、国内外の研究者でSTAP細胞の作製に誰一人成功しないことも問題になってきました。これを受け、理化学研究所とネイチャー誌は、それぞれ2月中旬に調査を開始しました。

C 調査委員会の最終報告(2014年4月1日)によると、小保方晴子ユニットリーダーの研究は2点で問題があると認定。一つは、別の実験画像を切り張りした「改ざん」。もう一つは、小保方さんの学生時代の博士論文と酷似した実験画像を使った「捏造」と発表しました。ただ、STAP細胞が存在するのかどうかについては、今後継続して研究するとのことです。

D 現在、国民のいちばんの関心事は、改ざんや捏造の話ではなく、本当にSTAP細胞は存在するのかどうか、ということです。存在を信じ、今後の研究成果を見守りたいものです。

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※ コピペ =コピーアンドペースト。他人の文章(論文など)を丸写しすること。
※ 改ざん =文書やデータを勝手に書き換えること。      
※ ねつ造 =実際にはないことを事実のように仕立て上げること。













指導者サンプル









全体的に前向きに取り組んでくれました。
ただ
3年生 にとっては
要約学習においては
新しいスタイル
「学びあい学習」導入に
とまどいが感じられました。

さっと話し合いに入るグループと
話し合いをリードする生徒が出なくて
時間をロスするグループとありました。

ここをどのように展開するか?
次回の課題の一つです。