要約学習
赤来中3年生
反論する
平成25年度第7時間目
.


要約学習の部屋に戻る


2014.3.5(水)


 小学校6年生の時から、ずっと4年間かかわってきた、現;赤来3年生要約学習。いよいよ最終回を迎えました。


10分 導入……さまざまな図式を紹介(図式のパワー;確認)
15分 個人学習(各自、手渡された文章の図式を書く)
05分 2人ペア同士が、お互いの図式を頼りにプレゼンし合う。
     
=前半1分は図式メモを見ずにチャレンジ!
05分 代表者による全体プレゼン。
05分 反論を考える(各自が反論メモ〜図式)
06分 3人グループになって「反論」意見交換。
04分 代表者による反論の紹介。

.

 では、文章と図式とあわせて紹介します。

.



文章を読んで
内容を図式化して
それを第三者にプレゼンする。
これが
赤来中要約学習の基本的パターンです。


今回の授業で
指導者目指したのは
その発展学習。
読んだ文章内容に関して
考えをめぐらし
自分自身の見解(コメント)を持つこと。
それをもとに
友達とディスカッションすることです。

今回は
反論するというスタイルで
授業を展開しました。





                   








飯南高校入学試験に
ペーパーテスト復活を!



生徒作成の図式






















@ 飯南高校は県境の小さな田舎の学校ではありますが、キラリと光る魅力ある高等学校です。何より生徒が規律正しく、純朴な気風があり、高校生活を謳歌しています。また、生徒の数に対して先生の人数が多く、大規模校では考えられない少人数授業が実現しています。
※ 謳歌する =みんなで大いに楽しむ。
A ところで、平成13年度、飯南地域中高一貫教育が本格的にスタートすると同時に、頓原中・赤来中から飯南高校へ進学する生徒には、ペーパーテストが課せられなくなりました。「特別選抜検査」と称して、推薦入試と同じように面接や作文が行われています。

B 高校入試にペーパーテストがないということは、勉強に力が入らないのではないでしょうか? 特に受験期にさしかかった中学3年生にとって、選抜試験(ペーパーテスト)がないということは、受験という重圧を体験できません。「落ちるかもしれない」と不安になったり、「石にかじり付いても合格するぞ!」、「1点でも点数を伸ばすよう受験勉強を頑張るぞ!」と机にしがみついたりする、いわゆる「受験生の体験」をすることがありません。これは、中学校時代に学力を伸ばすという面で、大きなマイナスになるのではないでしょうか?

C 高校に進学すれば、学習内容も格段に難しくなります。授業の進み具合も、一気にスピードアップします。それに耐えられるだけの基礎学力を、どうしても中学校時代に付けておく必要があります。

D 保護者のアンケート調査では、ペーパーテスト実施に賛成が(5年前の調査では)60パーセントを超えています。「わが子は特別選抜検査ではなく、一般入試で合否を決めてほしい」と学級担任に直訴するケースもあります。そこで、教科の基礎学力を付けて進学するという視点から、飯南高校をめぐる中高一貫教育は考え直した方がいいと思います。

.













指導者サンプル









反論する
〜生徒の反論メモ〜











意見は図式的に書くよう指示しました

箇条書きが圧倒的でした。

出来うれば
図式的なメモを手元に置いて
堂々と
自説を述べてほしかったのですが、……。

でも
最後の全体発表の場面では
2人に1人が
手元のメモ書きを見ずに
自分の意見を述べていました。









反論スピーチメモ(指導者)













文章化


 確かに受験が目の前にぶら下がっていると、怠け心を振り払って机にしがみついたり、テレビを我慢して勉強への集中力を高めたりということがあります。こういうふうに集中力を高めて勉学に立ち向かう体験が、成績を飛躍的に押し上げるということも確かです。

 しかし、たとえ高校入試にペーパーテストがなくても将来への目的がはっきりしていると、学習へのモチベーション(やる気)は高められます。大切なのは、本人の学習に対する価値観です。もともと勉学は、立派な社会人になったり、豊かな人生を歩んだりするための基盤づくりです。それに、大学入試や就職試験など、本当の勝負は3年後、高校卒業時にやってきます。中学から高校へ向けての進学は、ある意味では通過点に過ぎません。そのための「今」があるのです。

 飯南高校への「内定合格」をもらったら、それ以後は飯南高校から特別な学習課題が課せられます。これは、高校入学後を見越した基礎学力を見直し培うという、重要な意味合いが込められています。これに真剣に立ち向かうことこそ、高校生活で学習を充実させるとともに、3年後の勝負の時を乗り越える底力になります。

 一方、中高一貫教育が始まった経緯の一つに、「高校入試に惑わされず、「ゆとり」ある学校生活の中で中学校教育を実現すること。また、生徒の個性の伸長を大いに図ること。」があります。従来から「私立」で行われてきている、いわゆる「大学受験型」の中高一貫教育を目指したものではありません。つまり、受験の重圧がないことをプラスの視点からとらえた考え方です。

 今、社会から求められている学力は、ペーパーテストによって測る単なる知識暗記型の「受験学力」ではありません。社会人となったとき必要とされるのは、課題解決型の「総合的な学力」(思考力・表現力・コミュニケーション能力など)です。その学力が試される場が、特
別選抜試験で課されている「(調べ学習)プレゼンテーション」でもあるのです。

.



















                   

学校給食を廃止しよう!


生徒作成の図式

























@ 1954年(昭和29年)、「学校給食法」が制定されました。その第4条で「義務教育諸学校の設置者は、学校給食が実施されるように努めなければならない。」と定めています。これを受け、1967年(昭和42年)4月、旧赤来町でも「学校給食」完全実施が実現しました。

A それまで旧赤来町では、しばらくの間「(粉)ミルク給食」、冬季の「みそ汁給食」(保護者が交代でボランティア調理)が行われていました。現在の学校給食においては、食材費は給食費を徴収していますが、施設設備費・人件費・燃料費などは、町費(税金)で賄われています。したがって、一食あたり小学校は249円、中学校は302円を保護者負担としていますが、実際には一食 600円〜700円の食事を食べていることになります。
 
B ところで、学校給食については「学校給食法」制定当時の役割を終えたという意見もあります。他の市町村が学校給食に移行するなか、北海道陸別町では1984年(昭和59年)、「学校給食は行わない、弁当を継続する。」と決めました。

C 当時の陸別町教育長は、学校給食を行わない理由について「貧困児童への栄養補給という給食の役割は終えた。親が愛情を込めて作った弁当を食べることで、親子の会話と絆も生まれる。家庭で食を考えるきっかけにしたい」と説明しました。

D 財政難に苦しむ飯南町にあって、学校給食への負担も少なくありません。給食費の滞納も社会問題となっています。また、一日の生活にゆとりがない学校です。弁当にすることで、給食の準備片づけが不必要となります。これによって、昼休みが 25分間から 40分間へと、一気に長くなります。先生方の給食指導の負担もなくなります。この際、学校給食を廃止し、弁当持参にしてはどうでしょうか。

.













指導者サンプル









反論する
〜生徒の反論メモ〜





















反論スピーチメモ(指導者)













文章化


 学校給食法が施行された時期は、確かに国民が貧しい時代でした。しかし、生活が豊かになった今でも、さまざまな家庭環境の子どもがいます。偏食の子どもや朝食を食べてこない子どももいるようです。

 また、保護者の視点から考えた場合、毎日弁当を準備するということは、その負担感は計り知れません。とりわけ両親が勤めている家庭が圧倒的に多い時代です。保護者の心身の負担を少なくする意味からも、給食の果たしている役割は少なくありません。また、給食が無くなると、持参した弁当を比べて、恥ずかしい思いをする子どもがいるかも知れません。そのことで、親に不満を言ったりするかも知れません。

 こういう現状にあって、カロリー計算がされた、栄養バランスのとれた給食を提供する意味合いは、昔も今も変わりません。子ども達の健全・健康な心身の成長を支援する意義は同じです。

 とりわけ飯南町の給食は、手づくりの温もりがありとても美味しいと、転勤してこられた先生方からも、とても評判です。そういうこともあってか、残滓(食べ残し)はどの学校もほとんどありません。

 一方、緊縮財政にある飯南町にあって、学校給食への年間予算は 約3,700万円です。しかし、町長さんや町議会議員の皆さんも、子ども達のために給食支援をすることに反対の方は一人もありません。喜んで給食を提供しておられるのです。こういう飯南町の現状ですから、学校給食を止める理由は一つもありません。

.






                   


図式を書く時間は
本当に短時間ですむようになりました。
15分間設定したのですが
大半の生徒が
清書をしていました。

プレゼンも
二人組がお互いに
実に生き生きと
内容を伝えあっていました。

ただ
今回いちばん目指していた
反論するについては
まだまだ
視野を広げるとともに
これから経験を積む必要を
痛感しました。

大学入試や就職試験では
小論文が課されるケースが
だんだん増えてきました。

社会では
そういう総合的な学力を
求めているのです。

進学してからの
大いなる飛躍を期待して止みません。

なお
授業最後に
代表者が出てきて
堂々とお礼を述べるとともに
色紙をプレゼントしてくれました。

要約学習で身に付けた力を
さまざまな場面で
生かしてくれていることを知り
たいへん嬉しく思いました。