@ 「宝石の王様」として知られるダイヤモンドですが、これを人工的に作り出す「合成ダイヤモンド」が世界で広がり始めています。天然のダイヤモンドは、地球の奥深くで長い年月をかけてつくられる鉱物です。ところが合成ダイヤモンドは、人間が造った装置の中で数週間ほどでできてしまいます。この合成ダイヤモンドを作る技術は、日本で生まれました。
A 銀座(東京)の専門店を訪ねると、ショーケースに並んでいるのは、全て人工的に作った「合成ダイヤモンド」です。しかも、天然のダイヤモンドなら100万円を超えるところ、合成ダイヤモンドだと30万円ほどの価格で販売されています。この合成ダイヤモンドは、本物かどうか鑑別する(見分ける)ための装置では区別することができないほど出来映えです。
B ダイヤモンド研究者の加茂睦和さんは40年前、電子レンジと同じマイクロ波(波長のきわめて短い電波)を使ってプラズマ(例えば、雷・オーロラ・蛍光灯・ネオンなど)を作ることによって、炭素原子からきれいで透明なダイヤモンドの結晶ができることに成功しました。これによって装飾用の(指輪やネックレスなどに使える)合成ダイヤモンドの扉が開かれたのです。