@ 伝書鳩とは、遠く離れたところから自分の巣(鳩小屋)へ帰ることができるよう訓練された鳩のことです。公園にいるのは野生化した(自然界で育った)「ドバト」と呼ばれる鳩ですが、両方とも元々は外来種(外国からやってきた)のカワラバトです。伝書鳩は5千年前に人が通信用として使っていた記録もあるほど長い歴史があります。
A 伝書バトの中には、一日で1千kmも飛べるハトもいます。遠く離れていても巣に戻ってくる「帰巣本能」が優れているのは、太陽の位置や地磁気で巣の位置が分かるからだという説がありますが、はっきりした理由はよく分かっていません。
B 日本では、約120年前から「陸軍」が研究を始め、新聞社は1895年に初めて実際に利用しました。記者が数羽の伝書鳩を現場に持って行き、脚や背中に取り付けられた筒に原稿やフィルムを入れて空に放ちます。すると鳩は、現場から本社の鳩小屋に帰るという方法です。しかし、ファクスなど電送技術の発達で、1960年代にその役目を終えました。現在は、一定の場所から自らの巣に帰るまでの速さ(分速)を競う「伝書バトレース」が、伝書バトの主な活躍の舞台となっています。