@ 政府は、2050年までに「地球の気温が上がる原因となっている二酸化炭素」の排出量をゼロにする目標を発表しました。特に問題となっているのが「火力発電」です。これを実現する方法として、発電時に二酸化炭素を出さない「洋上風力発電」が注目されています。日本においては、再生可能エネルギー(自然エネルギー)は、「太陽光発電」や「風力発電」を中心に取り組んできています。ただ、日本は山間部が多く、太陽光・陸上風力のさらなる拡大は難しい現状にあります。そこで周囲を海に囲まれている日本では、風力への期待が高まっているのです。
A 洋上風力発電は、福島県沖や千葉県沖などに5基(発電容量は計1.4万キロワット)あります。しかし、1基で約100万キロワットの発電能力があるとされる原発(原子力発電)に比べると、まだまだ小規模な発電でしかありません。ヨーロッパではイギリスが約2,300基、ドイツが約1,500基を設置し、いずれも数百万キロワット以上の能力を持っています。火力発電・原子力発電に代わる主力電源となりつつあります。
B 日本で洋上風力発電が広がらない理由は、ヨーロッパに比べ日本周辺には遠浅の海が少なく、風車を海底に固定する「着床式」を設置するのが難しい点にあります。水上に浮かべる「浮体式」なら深い海域にも設置できます。しかし技術的に難しい上、日本の近海は台風などの被害が多く、技術的なハードル高いのが課題となっています。今後、この課題を解決する技術力が期待されています。。