@ 2016年時点、日本の発電依存の状況は、火力発電が88%を占めています。2009年当時は62%でしたが、東日本大震災による原子力発電所の稼働停止の煽りを受けて急増しました。続いて多いのが「水力発電」の 9%。将来を期待されている再生可能エネルギーの割合は 3%に過ぎません。それに対して世界の主要国は、再生可能エネルギーを重点的に強化しています。ドイツは27%、イギリスは24%、デンマークは68%です。
A 再生可能エネルギーの先進国の一つ、アイルランドで風力発電の状況を見てみましょう。アイルランドは人口470万人、北海道ほどの面積の島国です。同じ資源に乏しい島国同士、日本にとっても参考になります。そのアイルランドで風力発電は、電源構成の22%を占めています。ただ、風力にせよ太陽光にせよ、難しいのは「風まかせ、お天気まかせ」で出力が安定しないことです。需要が少ない時期や時間帯に発電出力が高くなりすぎると、電力ネットワーク全体が停電しかねないため、「出力制御」が必要になります。 ※ 出力制御 =出すエネルギーを少なくすること。
B そこで、出力制御は全国の送電網を一元的に管理する電力会社が指示して行っています。気象データから風の吹く量を予想し、コンピュータによる一斉指令で、増やしたり減らしたりしています。こうした技術も使いながら、アイルランドは2021年には、再エネの発電比率を40%にまで高めるという目標を立てています。