@ 岐阜県多治見市にある公立中学校では、新型コロナウイルスの影響で去年3月から合計3か月間休校しました。休校が始まった当初、生徒の家庭にプリントを配って学習の遅れを食い止めようとしました。しかし、休校の期間が予想以上に延びたことに危機感を抱き、取り組んだのが「オンライン学習」です。全教科でおよそ300本もの動画を1か月で制作して、生徒が家庭で学習を進められるようにしました。
A ただ、始めるにあたって、すぐに課題に直面しました。学校が各家庭のネット環境をアンケートで調査したところ、他の家族がパソコンを使っていたり、兄弟姉妹の間で調整が難しかったり、親がいないとネットを見られないなど、自由に使うことができない生徒が1割もいることが分かりました。さらに「学習の進め方」でも課題が見つかりました。当初、指導の動画などを学校側が配信し、それを生徒が見る仕組みでした。しかし、動画を一方的に配信するやり方では意見のやりとりができず、学力向上につながらないという結論に達しました。
B そこで、教師の指導を生徒がリアルタイムで(同時に)受ける仕組みを導入しました。今では、生徒から教師に向けてリアルタイムに質問や意見が言えるようになっています。しかし、まだ通常の授業と比べて十分な成果が上がっていないと言います。オンライン学習をより有効なものにするために、今後の更なる工夫・改善を目指して試行錯誤中(失敗を重ねながらも段々と目的にせまって行くやり方)です。