@ トヨタ自動車グループが、先端技術を活用した農業支援を始めると表明しました。計画の一つは、ドローンを使った肥料散布です。ドローンで田んぼのイネを撮影し、葉の色や茎の数を計測。イネの生育のばらつきなど、田んぼ全体の状況を分析し、適切な肥料の量を計算します。これまで人力では30分で10株を調べるサンプルがやっとです。新しいシステムでは、6万株をわずか1分で正確に調べることができます。この調査結果を受けて、人工知能を登載した「無人ヘリコプター」が生育の悪い稲の周りだけ肥料を撒布して回ります。肥料を圧倒的に節約できます。
A この実証実験は昨年6月〜11月、岐阜県梅津市で行われました。肥料の節約、収穫量の増加など、一定の効果が得られています。育てた米の品種は、独自に開発した「しきゆたか」。収穫した米は、豊田通商が全て買い取る仕組みとなっています。このため、農家は安定した収入が得られる仕組みとなっています。
B この他に、トラクターでセンサーを引っ張り、土中の栄養素を計測する実証実験も行われました。耕作地全体の土中の栄養状況を調査し、土地が痩せている(栄養が足りない)部分を洗い出しました。これは、無駄なく効果的に土壌改良を行う上で、実に有効であることが報告されています。高齢化や農業の担い手不足など、課題が多い農業分野に、新たな光が見えてきています。