@ トマトは、抗酸化作用のあるビタミンEやリコピンの宝庫、アンチエイジング(老化防止)の強い味方とされています。人間の体内では、酸素をエネルギーに変えるときに酸素が生まれます。その量が増え過ぎると細胞や血管にダメージを与え、体を酸化させてしまいます。そうして生じるサビが、老化の原因となる動脈硬化(動脈の内壁が固くなる)や生活習慣病(悪い生活習慣によって引き起こされる病気)の危険性を高めるとされています。
A 遺伝子組み換え作物の開発・生産をしている香港大学の研究チームが、「遺伝子組み換え技術」によって抗酸化成分を強化したトマトの開発に成功したと発表しました。通常の6倍近いビタミンE、2倍を超えるリコピンを含んでいるとのことです。このトマトなら、健康にいい成分をぐっと凝縮したジュースやトマトペーストも作ることができます。
B 遺伝子組み換え作物・食品は、日本でも収穫量が多くなるように品種改良したイネや、肉付きのよい魚などが開発されています。2020年のノーベル化学賞は、狙った遺伝子を正確に変更するゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」を開発した研究者が受賞しました。今後、食品開発をめぐっては、味や栄養などを高めた作物・食品が次々生み出されると期待されています。